高市早苗首相が就任後初めて臨んだ26日の党首討論で、日中関係をめぐる立憲民主党・野田佳彦代表の発言をめぐり、山尾志桜里元衆院議員は同日、X(旧ツイッター)で「中国を利する誤ったナラティブの拡散です」と指摘した。
26日、高市氏就任後初の党首討論が行われ、野田氏が最近の日中関係の悪化について質問した。
この党首討論について、山尾氏は26日、Xに「存立危機事態をめぐる立憲野田党首の質問をきいて、スルーしない方がいいと思う事実誤認と評価誤認を3点だけ」と投稿した。
山尾氏は、野田氏が「日中がお互い激しく罵り合いヒートアップ」と発言したことについて、「中国を利する誤ったナラティブの拡散」と指摘した。
「中国は世界がドン引きする罵詈雑言を吐き、経済的威圧を繰り出し、邦人の違法拘束すら示唆する異常対応を継続中。他方日本側は、政府も国民もこれ以上ないくらい冷静沈着な対応を継続中」と述べた。
続けて、「どう考えても中国側の一方的な罵倒でありヒートアップなのに、事実と異なる『どっちもどっち』論の展開は慎んでほしい」と語った。
そのうえで、「中国が欲しくてやまない誤ったナラティブの拡散に協力してしまうのは国益を害します」との見方を示した。
また党首討論で、野田氏は「アメリカは曖昧戦略なのだから歩調をあわせ、日本だけ具体的な姿勢をみせるな」と、高市氏に指摘した。
この指摘について、山尾氏は「まずアメリカ主導の戦略立案を当然の前提にしている点に違和感大ですが」と前置きした上で、「そもそもアメリカの『曖昧戦略』は台湾有事における武力行使の可能性は認めた上で、実際やるかやらないか、その具体的範囲や規模のレベルで意図的に曖昧にしていると理解してます」と自身の見解をつづった。
「日本の姿勢として、台湾有事に介入したアメリカへの武力攻撃に対する武力行使の可能性を認めた上で『ありうる』にとどめている高市発言は、アメリカと歩調があっています。日本だけ何か先行して具体化したわけでは全くない、と思う次第です」
「可能性ゼロならそもそも曖昧にできない。私からは、今回の高市発言でようやく日本にも本来の『曖昧戦略』が成立し始めたように見えます」と語った。
山尾氏は、最後に野田氏が「総理が具体的事例をあげて答弁」したことをいさめていた点についても言及し、
「台湾有事さらにはバシー海峡封鎖と、具体的事例をあげた上で更に深堀りしていったのは岡田議員」と指摘。
また、「党首の立場で質問者を守りたい気持ちは分かるのですが、事実誤認はむしろ説得力を下げる」とし、「結構重要な外交局面なので、与党だけでなく、野党第一党にも国益第一に動いてほしいと思う次第です」と締めくくった。
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