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トランプ氏 訪韓中の米朝首脳会談を見送り 北側から応答なく「設定されず」

2025/10/29
更新: 2025/10/29

トランプ米大統領は、2025年10月下旬の韓国でのアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議関連の訪問を機に、北朝鮮の金正恩委員長との首脳会談が行われるか注目されていた。しかし、10月27日付のアメリカ政府高官や韓国側の報道によると、今回の訪韓日程には金氏との会談は「含まれておらず」実際に設定されていないことが明らかになった。

トランプ大統領自身は10月27日、「ぜひ会いたい」「もし彼(=金氏)が望むなら、会える状況にある」と明言していた。米機内で報道陣に対し、「彼は私が訪韓することを知っている。もし会いたいなら、私は駆けつける」と語った。しかしながら、10月29日時点でも北朝鮮側からは公式な返答や具体的な調整が確認できず、アメリカ側・韓国側ともに会談は確定的なものにならないとした。

今回の訪韓をめぐる米朝首脳会談は「実質的に見送り」扱いとなった。トランプ氏が10月27日に公開した発言や、米・韓の政府関係者のコメントから「会いたい意向はあるが、今は設定されていない」という構図である。

背景として、北朝鮮側の交渉の前提条件として「アメリカが北朝鮮を核保有国として受け入れること」を挙げており、アメリカ側の制裁継続を前提とする従来のプロセスと距離があると分析。また、2025年10月時点で、北朝鮮が米韓両国との対話を模索しつつも、ロシア・中国との連携を強めているという動きも報じられており、これが交渉再開のハードルとなっているとの指摘もある。

韓国政府側も、かつてのような電撃的な会談実現は「十分な準備なしには実現しない」との見方を示しており、今回の「見送り」は一時的な状況である可能性もあるという見方もある。

今後、北朝鮮側の応答やアメリカ側の戦略変化、あるいは韓国側の動向次第で、再び首脳会談が再燃する可能性は残されているが、少なくとも2025年10月末のこの訪韓の枠内では実現しない見通しである。

今後の焦点は、北朝鮮がどのような条件やタイミングで米朝対話に応じるか、アメリカが制裁・交渉政策をどう調整するか、そして韓国が中間仲介役としてどのような立ち位置を取るかだ。首脳会談の再浮上があるかどうかを含めた外交の動きに注目が集まる。

エポックタイムズ記者。大学では地理学を専攻。主に日本の時事について執筆しています!