越境弾圧関与で イタリアが中国人8人を国外追放

2026/03/11
更新: 2026/03/11

イタリア政府はこのほど、国家安全保障上の理由から、中国人8人の国外追放を正式決定した。このうち3人はすでに即時送還されたという。中国共産党当局によるとみられる「越境弾圧」への関与を理由に明確な法的措置が取られたのは、今回が初めてとみられている。

関係筋によると、この追放措置は長年にわたる調査を経て決定されたものだ。中国の反体制派やブロガーなどへの継続的な監視、嫌がらせ、脅迫などが捜査対象に含まれていたとされる。

世論では、今回イタリアが関係者を送還しシェンゲン圏外へ追放したことは、象徴的な意味合いが極めて大きいと受け止められている。

海外人権弁護士連盟の責任者 、呉紹平氏は「欧州で、国家安全部門が越境弾圧を実行した中共の代理人に対して法的措置を取り、イタリアから追放した例は今回が初めて。これは重要な前例であり、少なくともEU内で示範的な意味を持つものだ」と考えている。

研究者らは、中共による越境弾圧は近年ますます深刻化しており、民主主義国家はより整備された対応メカニズムを確立する必要があると指摘している。こうした行為は本質的に国家主権に関わる問題であり、イタリアの今回の措置は国外勢力に対して明確な一線を引いたと評価されている。

曽建元氏は「中共が各国で行っている越境弾圧は、各国政府との協力による正当な公権力の行使ではなく、各国の主権を侵害する行為だ。イタリアが中共政府に仕える者たちを国外追放したのは、自国の主権を守る行動にほかない」と指摘した。

分析によれば、イタリアはこれまで中共による海外影響力工作に対して曖昧な立場を取っていた。2022年の報告書では中共の対外影響活動の主要標的のひとつだと指摘されていた。その中には、いわゆる「海外警僑サービスステーション」などの物議を醸す組織も含まれていた。

さらに今年2月には、イタリア警察のシステムがハッカー攻撃を受け、対中関係の捜査を担当していた数千名の警官の氏名・職務・捜査データが流出する事件も起こった。この事件の発覚後、イタリアの法執行機関は中共関連部署との協力を停止した。

観察筋は、こうした一連の事件がイタリア政府に安全保障リスクの再評価を促し、最終的に越境弾圧関与者への法的措置に踏み切るきっかけになった可能性があると見ている。

曽建元氏は「イタリアはまさに欧州で最初の一手を打った国と言える。今後ほかの欧州諸国でも同様の動きが広まるだろう」と述べた。

この国外追放事件が、ヨーロッパ各国における越境弾圧や外国勢力による干渉への監視・対抗措置の強化を促すかどうか、国際社会の注目が集まっている。