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伊東市メガソーラ計画停止遠のく 市議選で前議長が再選

2025/10/20
更新: 2025/10/20

静岡県伊東市の田久保真紀市長が議会を解散したことに伴う市議選(定数20)は10月19日に投開票され、前議長で田久保氏の経歴詐称疑惑を追及してきた中島弘道氏(65)が再選を果たした。中島氏は開票結果を受けて「市議選は第一段階。再び不信任決議を可決し、市長選を行い、少しでも早く正常な市政運営を取り戻したい」と支持者に語った。

今回の市議選は、学歴詐称問題で9月1日に伊東市議会が田久保市長への不信任決議を全会一致で可決したことを受け実施した。市長が議会を解散したことで選挙に突入したが、結果は田久保氏に厳しいものとなった。当選した20人のうち19人が「再度の不信任決議案に賛成する意向」を示しており、31日に予定される臨時議会で再び不信任案が可決される見通しとなっている。

田久保市政と議会の対立構造の背景には、経歴問題だけでなく政策面での深い溝もある。特に、伊豆高原のメガソーラー計画と新図書館建設をめぐる是非が最大の争点だ。田久保市長はメガソーラー計画の「白紙撤回」や新図書館建設の中止を主導しているが、議会側には既定の事業を推進すべきだとする意見が根強い。これらの政策が市長-議会関係悪化の一因となり、「改革派対保守派」の構図を生んでいる。

もし再度の不信任決議案が可決されれば、田久保市長は即日失職し、50日以内に市長選挙が行われることになる。市政はその間、最大で約2か月間停滞する見通しで、来年度の予算編成にも影響が及ぶ可能性が高い。9月議会では会期冒頭に不信任案が可決されたため、以降の審議がすべて停止しており、臨時会でも新議長選出後に再び不信任可決となれば、実質的に12月中旬まで行政判断が進まない事態が懸念されている。

今回の投票率は59.22%と前回(48.88%)を大きく上回った。田久保市長の学歴問題や政策対立が市民の関心を高めたとみられ、市政混乱への不安とともに「早期の安定化」を求める声も強まっている。
 

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます