沖縄衆院選で自民全勝「大転換」 沈むオール沖縄

2026/02/09
更新: 2026/02/09

2026年2月8日に投開票が行われた第51回衆議院議員総選挙において、沖縄県の全4選挙区で自民党候補が勝利を収めるという歴史的な結果となった。かつて「オール沖縄」勢力が強固な基盤を誇った沖縄において、全議席を自民党が独占するのは極めて異例の事態である。

今回の衆院選では、1区の国場幸之助氏、2区の宮崎政久氏、3区の島尻安伊子氏、4区の西銘恒三郎氏の自民党4名が全員当選を果たした。特に、1区で共産党の赤嶺政賢氏が、2区で社民党・中道勢力の新垣邦男氏がそれぞれ議席を失ったことは、沖縄の政治地図が根本から塗り替えられたことを象徴している。

「高市政権」への期待と物価高対策

高市早苗首相率いる自民党への支持が全国的に広がる中、沖縄においても「強い経済」を掲げる政権への期待感が高まった。国場氏をはじめとする自民候補は、経済だけでなく沖縄を守り、次世代につなぐ、沖縄から存在感のある議員を選んで送り出して欲しいなどの生活者目線の訴えで無党派層や若年層の支持を取り込んだ。

「オール沖縄」勢力の退潮と野党の分裂

玉城デニー知事を支える「オール沖縄」勢力は、辺野古移設反対を唯一の結集軸としてきたが、近年はその影響力に陰りが見えていた。今回の選挙では野党側の候補一本化が一部で崩れたほか、中道・右派勢力の浸透により反対票が分散。結果として、組織力で勝る自民党が競り勝つ形となった。

安全保障環境の激変とリアリズムの浸透

緊迫する台湾情勢や相次ぐミサイル発射など、沖縄を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、県民の間で「対話」だけでなく「抑止力」の重要性を説く自民党の安全保障政策に理解を示す層が増加した。基地負担軽減と経済振興をセットで進める自民党の「現実路線」が、理念先行の反対運動を上回ったと言える。

県政への影響と課題

今回の「自民全勝」は、沖縄の地方政治にも多大な影響を及ぼすことが確実である。

2026年秋の沖縄県知事選への影響

本年秋に予定されている沖縄県知事選挙において、自民党は「県内全勝」の勢いをそのままに、県政奪還に向けて強力な攻勢をかける。今回の結果を受け、玉城デニー知事を支える革新・中道陣営は戦略の抜本的な見直しを迫られることになり、保守勢力が知事選を有利に進める可能性が高まっている。

辺野古移設問題の加速化

全4選挙区で自民党が勝利したことは、政府にとって「辺野古移設容認」の民意が得られたという強力な後ろ盾となる。政府は今後、埋め立て工事や普天間飛行場の返還に向けたプロセスを加速させる構えであり、県との対立が新たな局面を迎えることが予想される。

沖縄振興予算と経済政策の進展

自民党の国会議員が全区を占めることで、中央政府とのパイプがより強固になる。高市政権が掲げる「国家戦略としての沖縄振興」が具体化され、離島振興や観光インフラの整備、DX推進など、経済活性化に向けた予算措置が重点的に行われる公算が大きい。

今回の衆院選の結果は、沖縄が「基地の島」という政治的象徴から、より経済や安全保障の実利を重視する「リアリズムの島」へと転換しつつあることを明確に示した。この変化が沖縄の未来をどう形作るのか、秋の知事選を含めた今後の動向が注視される。

エポックタイムズの速報記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。