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ホワイトハウスが省庁間で連携 中国資本の米農地購入を禁止へ

2025/07/14
更新: 2025/07/14

国家安全保障上の懸念から、トランプ政権は最近、中国共産党による米国農地の取得を制限する方針を打ち出した。すでに中共の関係者が取得した戦略的に重要な地域の農地については、回収を視野に入れた措置も検討している。

7月8日、米国のロリンズ農務長官、ヘグセス国防長官、ボンディ司法長官、ノーム国土安全保障長官に加え、連邦議会議員や複数の州知事を含む政府高官らが共同で記者会見を開き、「農業安全保障行動計画」を発表した。

この多部門・多層級にわたる包括的な行動計画は、敵対国の法人および個人による米国農地の取得を禁止する内容となっており、財務省傘下の「対米外国投資委員会(CFIUS)」も、農業分野における外国投資の審査に協力する方針だ。

ロリンズ氏は、米国の農業は単に食料不足や物価上昇といったリスクにとどまらず、国家主権や安全保障にも深く関わる重大な課題に直面していると強調した。

現在、外国人が所有する米国の農地は約4500万エーカーに上り、そのうち中共と関係を有するとされる所有分は1%未満だが、その多くが米軍基地周辺に位置しており、スパイ活動や監視といったリスクが存在している。

米紙ニューヨーク・ポストは、中国企業や個人がフロリダからハワイにかけて少なくとも19か所の施設を所有しており、これらの拠点は米軍基地に十分近接しているため、ドローン、レーダー、赤外線スキャンなどの技術を用いて米軍の動向を監視できる可能性があると報じた。

ヘグセス国防長官は、国防総省が「農業安全保障行動計画」に基づき、「外国の敵対者」による軍基地周辺の農地取得を禁止する方針だと述べた。

現在、連邦レベルでは外国資本による土地購入を全面的に禁止する法律は存在しないが、26州が外国人による農地の購入または投資に対して何らかの禁止または制限措置を講じている。

ロリンズ氏は、中共などの敵対勢力によって取得された農地について、すでにその回収作業に着手していることを明らかにした。

2023年、アーカンソー州は、国有化学大手の中国中化集団(シノケム)傘下の子会社であるシンジェンタに対し、現地の160エーカーの農地の売却を命じるとともに、「所有権の未開示」を理由に28万ドルの罰金を科した。

また農務省は、疑わしい農地の外国資本による取引や浸透を市民が告発できるオンライン通報プラットフォームを立ち上げるとともに、遅延や虚偽申告に対する罰金の引き上げも予定している。

大紀元のコラムニスト、王赫氏は、海外で農地を購入して食糧危機に備えている日本に対し、中共は国際的な信頼を欠いているため、より多くの障害に直面していると指摘している。

「今回の農務省の計画を見る限り、今後さらに踏み込んだ措置が講じられる可能性が高いと考えられる。中共による米国農地の取得審査は一層厳格化され、これが世界各国にも波及して積極的な影響を及ぼすだろう。その結果、中共による海外農地の再取得はますます困難になると予想される」と述べた。

農務省は、すべての助成対象プロジェクトから外国の浸透者を排除し、技術流出や強制的な技術移転を防止する方針を明確に打ち出している。

ボンディ氏は、現在米国内で100件を超える生物密輸や学術スパイ行為の捜査が進行中であり、これらのすべてが中共と関連していると明らかにした。

王赫氏は次のように述べている。

「農業は米国の強みであると同時に、中共が長年にわたり科学技術の窃取を行ってきた主戦場でもある。米国が誇る多くの農業ハイテク技術が中共に盗まれている。さらに、中共は米国農業に対して攻撃的な手段を潜在的に保有しており、例えば最近では、中国人学者2人が米国の農業に壊滅的な影響を及ぼす可能性のある遺伝子を密かに持ち込んだことが判明した。これらの事例を受け、米国政府は強い警戒態勢を敷いている」

昨年7月、中国の分子生物学者・劉尊勇(ズンヨン・リウ)が、デトロイト経由でフザリウム・グラミネアラムを米国に持ち込んだことが判明した。この真菌は、小麦、大麦、トウモロコシ、米などの主要作物に深刻な損傷を与え、食料供給網全体に対する脅威となり得る。

また、華中科技大学の博士課程に在籍する韓承軒(チェンシュエン・ハン)氏は、回虫に関連する生物材料を米国に密輸しようとした疑いが持たれている。

トランプ大統領は近く、敵対国による米国農業への浸透という危機に対処するため、さらなる対応措置として新たな大統領令に署名する可能性があると伝えられている。