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中国 「治療」より「売上」。中国の病院で横行する過剰医療の実態…

手術率90%超! 患者の不安につけ込み手術を乱発 “稼ぎ場”と化した中国の医療現場

2025/06/20
更新: 2025/06/20

「手術の必要がない人にまでメスを入れる」──そんな信じがたい医療行為が、中国・湖北省のある病院で常態化していたことが発覚した。

問題の病院は、民間の「黄石博仕肛腸医院」だ。肛門や消化器系を専門とするこの病院では、実際には手術の必要がない患者に対しても、積極的に手術を行っていた。その結果、調査対象となった125件のカルテのうち、113件(約90.4%)で「過剰医療」の問題を確認した。中には、手術が禁忌とされる状態の患者にまでメスを入れていたケースもあった。

さらに検査では、同院の全体の手術率が90%を超えており、地域平均の40%前後を大きく上回っていた。医師らは「今日中に手術しないと危ない」と患者の不安をあおり、初診当日に即手術を実施、手術中には無断で高額な医療材料や薬品に差し替え、事後に「緊急だった」などと説明して、高額な請求を行った事例も確認した。

また同院は、インターネット上で「格安検査」などをうたい患者を集めていたが、「実際には高額の費用を請求された」とする患者の告発が絶えず、社会的な波紋を広げていた。

問題の医院は、2015年に設立された民間医療機関で、7つの診療科と80床を備え、年間1500人を超える手術患者を受け入れている。

この問題を重く見た現地の検察当局は、公益訴訟を起こし、裁判所は、病院に約53万元(約1千万円)の罰金を命じた。

しかし、この事件は氷山の一角にすぎない。可視化されたのはあくまで「摘発できた1院」に過ぎず、その背後には、同様の手口で営利を優先する「医療機関もどき」が中国全土に無数に存在するのだ。

 

イメージ画像。本記事とは関係ありません。中国雲南省の地方都市にある病院の様子。2023年1月撮影 (Photo by Noel CELIS / AFP) (Photo by NOEL CELIS/AFP via Getty Images)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!