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Google AI投資は継続もChromeは売却へ? 米司法省が提案

2025/03/10
更新: 2025/03/10

米司法省(DOJ)は3月7日、Googleに対し、ブラウザ事業を分離・売却するよう求める提案をワシントン連邦地裁に提出した。これは、Googleがインターネット検索市場で違法な独占状態を作り出したとされたことを受けた措置の一環である。一方、AI関連企業への投資を売却する要求は撤回された。

3月7日にワシントン連邦地裁に提出された提案書で、司法省と38州の司法長官の連合は、Googleが違法なインターネット検索の独占を形成したとして、その是正措置としてChromeの完全売却を求めた。

この提案は、司法省と38州の司法長官が連名で提出したもので、Googleに対し以下の対応を求めている。

  • Chrome事業を完全に分離・売却し、必要な関連資産やサービスも含め、原告側が承認する買い手に譲渡する
  • 検索エンジンを優遇する契約のためにパートナー企業へ支払う行為を禁止
  • 検索エンジンおよび検索広告分野の競争相手との提携や合弁事業について、事前に規制当局へ通知

一方で、司法省はGoogleのAI関連投資の売却要求を撤回した。これは、AI分野の急速な発展により、売却が予期せぬ影響をもたらす可能性があるためと説明している。ただし、Googleには今後のAI投資について事前通知を義務付けるとしている。

「Googleは市場を支配し、消費者の選択肢を奪った」

司法省は提案の概要で、Googleの市場支配を厳しく批判し、次のように述べている。

「Googleは、その圧倒的な規模と影響力を利用し、消費者や企業が本来持つべき競争サービスを自由に選択する権利を奪った。Googleの違法行為によって、同社は市場で圧倒的な影響力を持つようになり、自らが常に優位に立つ仕組みを作り上げてきた」。

司法省は2020年に初めてGoogleを提訴したが、アメリカで1990年代のMicrosoft訴訟以来最大規模の独占禁止法違反訴訟を提起した。訴訟では、Googleが検索市場における支配的立場を維持するため、競争を阻害する契約を結び続けてきたと指摘している。

司法省は、Googleはウェブブラウザやスマートフォンで自社をデフォルトの検索エンジンに設定する契約を独占的に確保し、市場競争を妨げたとしてきた。規制当局は、Googleがこの支配力を活用し、広告オークションシステムを操作することで、広告主のコストを引き上げ、自社の収益を増やしていると指摘した。

Googleは長年、米国の検索市場で約90%のシェアを維持してきたが、同社は「市場の支配は優れたサービスによるもの」と主張し、「ユーザーは自由に検索エンジンを選べる」と反論している。また、「MicrosoftのBingなど競争相手も存在する」とし、独占状態には当たらないと訴えている。

Bill Pan
エポックタイムズ記者。教育問題とニューヨークのニュースを担当。