英紙フィナンシャル・タイムズは2月17日、関係者の話として、ホンダは日産の内田誠社長が退任した場合、両社の経営統合交渉を再開する意向を示していると報じた。
内田氏は2026年までの留任を希望しているが、経営統合交渉の不調により、社内幹部や筆頭株主であるルノーから辞任圧力を受ける可能性があるとされている。
日産の取締役会は、内田氏の退任時期について非公式な協議を開始したとも報じられており、内田氏の進退が今後の交渉の行方を左右することになりそうだ。
2040年までに新車販売をすべてEVとFCV(燃料電池車)にする計画を掲げるホンダは日産を完全子会社化し、経営権を握ろうとしていた。
毎日新聞の取材で、日産の内田社長は同社の内燃機関のフラッグシップモデルのスカイラインGT-Rなど、日産らしいクルマへのこだわりを表明しており、そうした内田社長の思惑が今回の合併交渉においても反映されたと考えられる。
ホンダと日産は昨年末から経営統合に向けた協議を進めていたが、2月13日、両社は統合協議の打ち切りを発表し、交渉は一時中断された。
今回の報道は、統合協議打ち切りの発表から約1週間後に出たものだ。内田氏が退任すれば、ホンダは新たな体制の下で交渉を再開する意向を示している。
この報道を受け、日産の株価は一時5.8%上昇し、448.7円を記録した。市場では、経営統合の可能性が再浮上することへの期待感が示されている。
内田氏は2月13日の記者会見で自身の進退について「業績改善に1日も早くめどをつけ、可及的速やかに後任にバトンタッチしたい」と発言した。今後、日産の取締役会が内田氏の進退をどう判断するかが焦点となり、ホンダとの統合交渉が再開されるかどうかに注目が集まっている。
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