一体どこまで続くのか? と呆れるほどだが、中国ではアメリカの電気自動車(EV)の大手テスラの車に対する各種の「締め出し」が後を絶たない。
中国当局によるテスラ車への規制は、これまでに「高速道路への乗り入れ禁止」「空港敷地への入場禁止」「駐車スペースへの駐車禁止」「公共充電スタンドの使用禁止」などがあるが、「習主席が視察する地域」へは毎回乗り入れ禁止を食らっている。
テスラ車に対する中国側の規制は、「セキュリティ上の理由」とも言われるが、その真偽は明らかでない。そもそも中国での販売を許可しておきながら、このようながんじがらめの規制とは、ほとんど排斥に近い扱いである。

拘置所でも
先月、依頼人と面会するために、中国山東省青島市にある看守所(日本でいう拘置所)へやってきた弁護士一行は、乗っていた車が米テスラ車であるがゆえに、車の出入りを禁じられたことがわかった。
公開された動画のなかで、拘置所の出入り口で、門番によって足止めされた弁護士の1人は「入れないのはテスラ車だけか?」と尋ねると、制服を着た職員は「そうだ」と答えたと言う。
「禁止だというちゃんとした書類はあるのか?」と続けて尋ねると、「それはよくわからないけど、公安が決めたことだ」と門番はいう。
弁護士らは懸命に交渉を行うも、結局はテスラ車は中へ入れなかった。弁護士一行は雪の積もるなか、ふつうは車で移動する広大な敷地内を歩かされる羽目になった。
「差別だ! 他の車両は普通に出入りできるのに!」と弁護士らは動画を配信して拘置所のやり方を糾弾し、苦情を申し立てたが、翌日行ってもやはり入れなかったそうだ。
(「テスラ車だけ締め出す」青島市看守所)
「テスラ車だけ」締め出し
中国では2023年以降、一体どこまで続くのかと嘆かずにはいられないほど、テスラに対する「出入り禁止令」を実施している。
中国共産党(中共)当局は、いわゆる「国家安全保障」や「スパイがいる」などといって、外国製品の安全上のリスクをでっち上げて、自国民を怖がらせている。その一方で、外国資本を留まらせたいがために、外国製品を明確に禁止する勇気もない。
「このような矛盾したやりかたが、中共の内部の分裂を反映している」と専門家は分析している。

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