中国で不動産価格下落・資産縮小 富裕層は保険と金を購入

2026/01/10
更新: 2026/01/10

ここ数年、中国の不動産市場は低迷が続いており、各都市で住宅価格の下落が止まっていない。最新の調査によると、かつて不動産投資を好んでいた中国の富裕層は次々と投資方針を転換し、保有している不動産を売却する一方で、高額な保険商品や金(ゴールド)を購入する動きが広がっている。

民間シンクタンク・胡潤研究院が発表した「2025年中国高純資産層リタイアメント戦略報告」によると、これまで中国の富裕層の資産拡大は、主に不動産価格の上昇と企業からの配当によって支えられてきた。しかし、今後数年間については、不動産や銀行の金融商品の比率を引き下げる一方で、保険、金、株式といった資産への配分を増やす計画を立てているという。

米国の経済学者・黄大衛氏は、中国の富裕層が不動産から撤退している主な理由について、次の三点を挙げている。

米経済学者の黄大衛氏は「第一に、不動産はもはや資産保全や流動性を担う存在ではなくなっている。価格下落の影響で取引が減少し、資産が長期間固定化されてしまっているためである。第二に、不動産は政策調整の影響を受けやすく、税制や相続、処分をめぐる不確実性が高い点も大きな要因である。その結果、富裕層はむしろ携帯性が高く、国境を越えて移動でき、リスクを分散・回避しやすい資産を好む傾向を強めている。第三に、かつて『不動産は値下がりしない』と広く信じられていた神話が崩壊したことで、保険や金が守りの資産として評価されるようになっているのだ」と分析した。

台湾の国際事務・企業学系の孫国祥教授は、「高純資産層は、これまで以上に予測可能な保障と安定したキャッシュフローを重視している。その代表例が保険であり、さらに高いリスク回避性と流動性を兼ね備えた資産として金が選好されている。こうした動きは、中国の富裕層が中期的な不動産市場の回復に対して、依然十分な信頼を持てていないことを如実に反映している」と指摘した。

報告によると、中国における高純資産家庭の数は減少傾向にある。昨年、資産が1千万元(約2億円)を超える家庭は約206万6千戸となり、前年比0.8%減少した。さらに、資産が1億元(約20億円)を超える家庭も約13万戸にとどまり、前年比で1.7%の減少となっている。