英国で発生した2件の中共スパイ事件 在英女性弁護士の身元判明

2024/12/27
更新: 2024/12/27

中国共産党(中共)によるスパイ事件がイギリスで相次いで発覚した。最近、イギリスの裁判所は華人弁護士クリスティーン・リー(李貞駒)がスパイであると認定し、同国議員は、発見されたスパイの数は、中共統一戦線部のスパイの1万分の1に過ぎないと述べている。

最近、イギリスの裁判所は2件の中共スパイ事件について判断を下し、華人弁護士クリスティーン・リーと実業家ヤン・テンボー(楊騰波)の身元が明らかになった。

2022年1月、英国の安全局は議会に警告を発し、クリスティーン・リーを中共統一戦線部のスパイと指摘した。その後、リーと母親は、イギリス調査権限裁判所(Investigatory Powers Tribunal )に安全局を提訴したが、12月17日、裁判所は訴訟を棄却し、安全局の警告は、合法であると判断した。

現在61歳のクリスティーン・リーは、主に華人を対象とした法律事務所「Christine Lee & Co.」を設立した。彼女は、イギリスの華人の政治参加や反差別を促進する組織も複数立ち上げている。

その一つである「英国議会超党派中国グループ」は、2011年から2019年までバリー・ガードナー議員が議長を務めていた。英国安全局の調査によると、リーはガードナー議員に対して合計42万ポンド以上を支払っていたことが明らかになった。

中共統一戦線部との関係が明らかになった実業家の一人はヤン・テンボーだ。

ヤン・テンボーは英国ハンプ・グループの創設者であり、アンドルー王子のビジネスパートナーだ。彼は2019年に中共の政治協商会議に出席していた。2021年には、イギリス当局が彼の電子機器から中共統一戦線部との連絡を発見した。2023年には、イギリス政府が、彼の入国を禁止する命令を出した。

元保守党党首のイアン・ダンカン・スミス氏は、12月16日のイギリス議会の討論で、ヤン・テンボーが「一匹狼」ではなく、中共の統一戦線部に属する4万人のメンバーの一人であることを明らかにした。

中共の統一戦線部は、中共当局が西側諸国に浸透する手段として機能している。米中経済安全保障審査委員会の報告によると、統一戦線部は「海外華人工作」を名目に華人コミュニティを取り込み、外国での活動を展開している。