【分析】日本の新首相の政策と台湾の戦略的将来

2024/10/13
更新: 2024/10/13

台湾公民監督国会連盟(公督盟)と日本の国会監視団体「万年野党」は12日、台北で「日本の新首相の政策課題と台湾の戦略的未来」というフォーラムを開催し、専門家を招いて分析を行った。

公督盟の理事長である曽建元氏は、今回の講座には日本の国会監視団体「万年野党」の理事で、前安倍内閣の行政改革政策顧問だった原英史氏と、政治大学国際事務学院の李世暉教授を招き、日本の新首相である石破茂氏の政策方針、日本の将来の政治情勢、そして台湾の安全保障戦略の調整と将来の展望について議論すると述べた。

石破氏は就任から8日、衆議院解散を決定した。

原英史氏は、先日の自民党内の政治献金スキャンダルによる派閥解散(麻生派を除く)が、ある程度派閥の国会議員に対する影響力を弱めたため、今回の総裁選には過去最多の9人が立候補したと指摘する。

しかし、高市早苗氏と石破茂氏の決選投票を見ると、岸田派の後援によって石破氏が総裁選に勝利したことからも、派閥の大物の影響力はまだ非常に大きいことがわかる。原氏は、石破氏が自民党内の主流派ではなく、新内閣の党内での立場の弱さが見て取れると述べた。

李世暉氏は、石破氏が就任直後の世論調査の蜜月期間を利用して衆議院解散の賭けに出たかもしれないが、日本の各メディアが新首相に対して行った世論調査によると、石破氏の支持率は51%で、これは支持率としては史上2番目の低さだと指摘している。

原氏と李氏は共に、石破首相が総裁選前に多くの野心的な政策を提案したものの、今年の衆議院選挙と来年7月の参議院選挙までは、その政治的抱負を実現するのは難しいだろうと考えている。政権を安定させるために、石破氏の政策は岸田文雄前首相の路線を継続し、合意形成を図るだろうと予想した。

原英史氏は、近年の日本では、世論調査において台湾に対する友好的な態度と中国に対する反感が非常に安定した傾向になっていると述べた。

石破茂氏は過去に防衛大臣を務め、日本の安全保障戦略について独自の見解を持っている。就任後わずか数日で政策が頻繁に変更されているものの、近年の台湾に対する友好的な発言や、故李登輝前総統を追悼するために何度も台湾を訪問したこと、さらに今年には頼清徳総統と会見したことから、従来の親中派というレッテルを貼るべきではないと指摘した。

李世暉氏は日本の安全保障戦略の方向性について分析し、現在日本が第二次世界大戦以来最大の安全保障危機に直面していると述べた。中国共産党だけでなく、北朝鮮やロシアにも対処しなければならないため、石破氏がアジア版NATOを提案したり、自衛隊を軍隊に改編する考えを示したりしたのだと説明した。

しかし、現実的には、新内閣には彼の理想を実現するための十分な政治的資本がなく、短期的には日米同盟の基調を維持し、アジア太平洋地域で形成された「2、3、4、5」の複数の民主主義同盟の下で安全保障を強化していくだろうと予測した。

日本の新首相就任後の日台関係について、李世暉氏は3つの重要な「チェーン・パワー」の下で非常に安定していると考えている。まず、両国が第一列島線上にあり、主要な安全保障戦略において利害が一致していること、基本的に台湾有事は日本有事であるという認識が現在の日本政界の主要な論調になっていることを指摘した。

李世暉氏はさらに、サプライチェーン、特に半導体産業チェーンにおける台湾の重要な役割が、日台関係と日中関係の分離を促進していると述べた。

最後に、民主主義のチェーンとして、台湾と日本が海洋民主主義国家として共通の価値観と利益を持っていることを挙げた。ただし、日本の政権の安定性が依然として日台関係に影響を与える可能性があると指摘した。結論として、石破茂氏が政治的にどのように各国、各党、各派閥と妥協の技術を学ぶかが注目点になるだろうと述べている。

原英史氏は、日本国内の経済発展の良し悪しが、石破茂首相が台湾に対してどれだけの政治的資本を投入できるかに関わってくると考えている。特に一人当たりGDPの観点から見ると、日本の過去20年間の成長率はアメリカ、台湾、韓国に大きく後れを取った。石破氏が過去に経済面で左派寄りで再分配を強調していたことを踏まえ、アベノミクスとは異なるモデルを打ち出せるかどうかが注目に値すると指摘している。

鍾元