中国広西省のある村は4か月間も水に浸かったままだ。しかし、現地当局は「排水プロジェクトの入札者募集中で、施工業者が決まってからでないと排水できない」としている。
広西省来賓市に位置する忻城県大塘鎮(町)にある村「六安村」。山に囲まれたこの村は4月の大雨で浸水し、いまもなお水は引いておらず、むしろ水はどんどん増えているのだ。
村民は先月27日、中国メディアに対して村の悲惨さを訴え、世論の注目を集めた。
「4月以来、村は水に浸かった。いまも、地勢の低い家では水は2階にまで来ている。なかには水深10メートル以上に達する場所もあり、村民たちは移動するのにボートが必須だ」と明かしている。
多くの村民が村から避難しているなか、一部の村民はいまもなおこの「水上に浮かぶ村」で暮らしているという。
公式データよると、この村の登録村民は149世帯482人だが、実際に住んでいるのは74世帯180人となっている。
村が浸水する原因について、現地の水利当局は「地下河川が詰まったため排水できなくなっている」と説明し、「今は村の排水プロジェクトの入札を行っている、入札を終えたら排水作業を開始する」としている。
中国メディアの報道により、村の惨状はようやく外部から注目され、世論の圧力のもと、現地政府は「いま各部門が取り組んでいる」と回答している。
関連ニュースをめぐり、ネット上では「現地政府が全くの不作為」と非難が殺到した。
「『政府の各部門が取り組んだ』結果、村が4か月間も水の中か」
「家畜や家財を失い、家にも帰れない村民たちが苦しみの中にあるのに、政府は入札募集中だと? 笑わせる」
「『施工業者が決まってからでないと排水できない』とはなにか? 入札するのに1年かかったら、村は1年間も水に浸かっていなければならないということか」
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。