中国共産党政権の救援宣伝動画 市民の車をこじ開けての撮影か?

2024/07/10
更新: 2024/07/12

山東省の災害に対して、政府が行った「救災活動」が「ウソである」ことがまたしても暴露された。

今月7日、山東省臨沂市の気象台は集中豪雨について最も深刻なレベルの赤色警報を発令した。この日、同市平邑県では過去最高の降雨量を記録し、市街地は深刻な内水(ないすい・市内排水設備、マンホールなどの下水道から水があふれること)氾濫が発生した。

この大災害の時、「大衆日報」(中国共産党山東省委員会機関紙)は「当局による救災活動」に関する映像を公開した。

画面のなかには、水が大人の腰部までに達した平邑県の街があった。街中で、「警察」の文字入りの制服を着た3人が、水に浸かった赤い車のそばまで歩いて行き、車のドアを開けた。すると、車内から満面の笑みを浮かべた「男性市民」が出てきた。男性は警察官らによって支えられ、その場を離れ、その過程で警察官の1人は男性が雨をしのぐために傘を開いてあげた。

 

(「大衆日報」が公開した「当局による救災活動」映像、2024年7月7日)

 

しかし、そんな「微笑ましい」救済活動の宣伝動画に「クレーム」をつけるネットユーザーが現れた。

「あれは、やらせ宣伝のための偽りの救災活動だ! 動画に映った赤い車の所有者は自分だ、車は無理やりこじ開けられた、車中にあった貴重品がなくなったんだ」

「政府当局が行ったという救災活動はニセモノで、そのうえ、市民の車を無断でこじ開けて貴重品まで紛失!」、関連話題がネット上で注目された。

世論の圧力もあり、翌日(8日)現地政府の職員は中国メディアに対して次のように「説明」した。

「動画に映っていた救助された男性は街中で家族を探していた。ちょうど、赤い車のそばに来た時、水位が上昇したため、車内に閉じ込められた。男性はその赤い車の所有者ではない。元の所有者にはもうすでに説明してあり、元の所有者もこの件に関しては理解を示してくれている」

しかし、以上の「公式説明」について、「不服だ」というネットユーザーも少なくない。

「バレちゃったね」
「水位が上昇したなら、車の屋根に上るのが普通じゃないの? なぜ車内に入った?」
「あの男性がどうやって赤い車に乗り込んでいったのかの説明はないのか?」
「この説明は我々を馬鹿にしている」

実際、臨沂市に限らず、最近、他の被災地でも同様のやらせ宣伝のための「偽りの救災活動」が行われていたことが現地民の告発によって明らかになっている。

2024年6月21日、安徽省銅陵市の病院前の人通りの多い道路で、多くの市民が見守るなか、堂々と「撮影」は進められていた。

動画の中には、地面にしゃがんだ男性が高圧噴射ガンを空に向けて放水して、「暴雨」を作る様子や、制服姿のいわゆる「救援隊」が何やら忙しそうに土のうを積み上げて「洪水の進入を防止する」シーンを懸命に演じている。

この撮影光景をすぐそばで見ている市民のなかには、笑っている人も。
 

(安徽省銅陵市の街中で行われた「偽りの救災活動」、2024年6月21日)

 

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李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!