米ペンシルベニア州の女子大生Olga Loiekさん(20歳)が人工知能(AI)に「顔を盗まれた」ことがわかった。
「Olgaさんの顔」をした女性、「中国を熱愛するロシア人女性・ナターシャ(娜塔莎)」は中国のネット上で流暢な中国語を使ってロシア製品を販売するインフルエンサー。数十万人の中国人フォロワーを有し、5千本近い動画が投稿されていた。
しかし、Olgaさん本人は中国語を話せないし、知り合いからこの件を聞かされるまで、何も知らなかった。
昨年11月にYouTubeチャンネルを開設したOlgaさんだが、その1か月後に知り合いから自分が中国のネット上で有名人になっている衝撃的な事実を知ることになる。本人は最初「冗談でしょ?」ととても信じられなかったという。
中国ネット上のナターシャ(偽物)は満面の笑みを浮かべてロシア製品を売るいっぽうで、「中国に行きたい」「中国に住みたい」「中国とロシアは良き隣人であり、中露の友情は永遠に続く」などと中露関係について語り、モスクワに対する制裁を嘆いていた。
しかし、ご本尊はウクライナ出身である。「ウクライナ人として決して口にしないことをニセモノが口にしていた」として、「とても容認できるものではない」とOlgaさんは語っている。
近年、AI技術を使用して、特定の人物の顔や声を、他の人物の顔や声に置き換える技術「ディープフェイク(Deepfake)」の発達により、多くの西側女性がその被害者になっている。ディープフェイク現象は中国のネット上で特に多い。
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