東南アジア・南アジア 必ずどこかに不具合が? 盗んだ技術でできた兵器?

バングラデシュ、中国製武器は技術的問題を抱えると不満

2024/06/16
更新: 2024/06/16

バングラデシュは長年中国から軍事装備を輸入しているが、最近、中国製の部品に不具合が発生し、技術的な問題が見られると不満を表明している。

インドの「エコノミック・タイムズ」紙が6月13日に報じたところによると、バングラデシュ空軍は中国製の「殲-7(ソ連のMig21ライセンス版)」戦闘機と短距離防空システムに技術的問題があり、K-8W(教練-8、カラコルム 8または略してK-8とも呼ばれ、中国南昌飛機製造公司パキスタン航空複合体が設計した、2 人乗りの中型ジェット練習機)軽攻撃機の弾薬発射システムに不具合があると報告している。

バングラデシュは中国製の武器を大量に購入している主要な顧客だが、以前から中国の企業が供給する軍事装備部品の不具合や技術的な問題を指摘している。

最近、バングラデシュ軍は、中国企業から供給された軽フリゲート、巡視艦、陸上巡視車の予備部品に問題があると指摘し、これらの船舶の製造不良と技術的問題を非難している。さらに、海軍が受け取った2隻の中国製「Ming-class、035G型」潜水艦は「使用不能」としている。空軍は以前、中国製の運輸機Y-12とMA60の2機の受け入れを拒否したことがある。

「エコノミック・タイムズ」によると、バングラデシュ陸軍は中国の北方工業公司から主力戦車MBT-2000を導入したが、この会社は、戦車のメンテナンス部品の供給に問題があったと報じている。

また、バングラデシュ海軍が導入した中国製の2隻のフリゲート艦(BNS Umar FarooqとBNS Abu Ubaidah)がモンゴラ港に到着した直後に、様々な故障が発生した。だが中国の企業は、これらの船の修理に追加費用を請求している。

昨年9月、バングラデシュ海軍は中国造船重工集団公司製のドゥルジョイ級軽量ミサイル艦「BNS Nirmul」に搭載されたC-704短距離対艦ミサイルシステムの不具合を報告した。製造会社はアップグレードに同意したが、追加費用は必要である。

バングラデシュは中国から購入した45セットの多連装ロケット砲システムのうち、36セットをトルコ製に切り替える計画である。

他国の中国製武器に対する懸念

バングラデシュだけでなく、ミャンマーを含む他国も中国製戦闘機の品質に懸念を持っている。ミャンマーに売却されたJF-17戦闘機はレーダーの精度不足や超視距対空ミサイル(ヘリコプターの視界を超えた戦闘をドローンで実現)の非装備、高G状態での機体損傷の容易さなどに問題があり、特に翼端と武器搭載部分に多くの問題もあるため、ミャンマー空軍は運用を停止した。

昨年11月、ミャンマー軍とカレン民族解放軍の戦闘中、ミャンマー空軍のジェット戦闘機がカレンニー州プルーソー町に墜落した。幸い、搭乗していた2人のパイロットは無事脱出した。ミャンマー空軍は技術的な問題で墜落したと発表し、反軍政府勢力は戦闘機を撃墜したと主張している。墜落機は中国製のK-8W軽攻撃機であった。

国防産業の専門家は、最新の軍事技術開発に必要な専門知識が不足する中国の企業は、現代の国防装備を製造するトップクラスのメーカーではないと指摘している。

また、中国の国有企業が市場に出している多くの武器は、西側諸国の古い技術に基づくと指摘した。

中国の国防産業の現状

中国共産党は、中国航空工業集団公司(AVIC)、北方工業公司(NORINCO)、中国船舶集団公司(CSIC)などの国有企業を通じてこれらの武器を販売している。

スウェーデンのストックホルム国際平和研究所が今年3月に発表した報告によると、2019~2023年の間、中国の武器輸出の世界市場シェアは5.8%で、2014~2018年の間と比べ5.3%減少した。中国から最も多く武器を輸入している国はパキスタンで61%、次にバングラデシュ11%、タイ6%である。一方、アメリカは世界の武器輸出国でトップを維持し、市場シェアは42%である。

多くの発展途上国は、西側諸国同等の軍装備よりも安価な中国製の武器を購入している。しかし、これらの武器はしばしば品質が劣り、性能に問題がある。また、中国のアフターサービスが不十分であることも指摘している。

李皓月