このほど、「中国のアップル」とも呼ばれる同国のスマホ大手シャオミ(小米)の盗作疑惑が話題になっている。
シャオミが先月28日に公開した初の電気自動車(EV車)「SU7」は、外観だけでなく、スマートキーの形状やキーの電池交換方法までもポルシェが製造する電気自動車「ポルシェ・タイカン(Porsche Taycan)」と酷似しており、物議を醸している。
あまりに「そっくり」という印象を受けるため、中国のSNS上では「SU7」をポルシェとかけて、「ミ(シャオミ)ルシェ」、あるいは「ポルミ(シャオミ)」などと揶揄されている。
「中国はパクリを恥ずべきだ」と非難する声が上がるなか、実際、中国の自動車メーカーが国際ブランドを「コピー」するのは珍しいことではない。
「長城汽車のパンクキャットはフォルクスワーゲン社のビートル」と、「陸風X7(ランドウインドX7)」はレンジローバー・イヴォークと、「北京BJ80」はメルセデス・ベンツ Gクラスと、「吉利ジーリー」はロールス・ロイス ファントムと、「東風EQ2050」はハマーH1と酷似しており、「盗作疑惑」が指摘されている。
シャオミは、SU7の販売開始からの24時間で8万件以上の確定注文を受けたと発表しているが、その後に「キャンセルの波」が巻き起こっている。中国メディアによると、衝動買いをした200人以上の消費者が「7日間のクーリング・オフ期間内に手付金(約10万円)を取り戻せない」として、法的手段に訴えているという。
シャオミの盗作疑惑について、米国在住の時事評論家・藍述氏は以下のように指摘している。
「中国共産党による支配下の中国では様々な偽造品やコピー商品が蔓延している。中国が今日のような状態になったのは、中共による中国の伝統文化の破壊と大きく関係している。伝統を破壊されたいまの中国人には羞恥心というものがないのだ」
「今回の場合、ポルシェが短期的な損失を被ったように見えるが、実際には中国の自動車産業のほうが長期的な損失を被っているのだ。他人の真似をしてばかりで、独自のイノベーションもないため、永遠に他社には追いつけないのだ」
台湾の政治評論家、黄澎孝氏も、「シャオミのこの問題(パクリ)は中共の『假大空(嘘、空論)』の伝統の体現である。多くの業界は手っ取り早く金儲けをしたいだけで、メンツや中身など気にもしない。いまや、中国の社会全体がそのような雰囲気になっている。イノベーションを企業の基本的な信念としなければ、決して大きくはならない」
「パクリ問題はシャオミに限ったことではない、中国の多くの軍事企業も同じようなことをしている。しかし、どんなにうまく真似たとしても、実際に使う時になると多くの問題が伴う」と指摘している。
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