突然の退去命令に抵抗 数百の市民が当局の「強制取り壊し隊」と衝突=中国 武漢

2023/12/07
更新: 2023/12/07

このほど、武漢市の野菜卸売り市場(青果市場)で店舗を経営する数百人の事業主が、当局による「強制取り壊し」に抵抗し、派遣された大勢の武装人員と衝突を起こした。現場では、取り壊しに抵抗する事業主側に、複数の負傷者が出た。

SNSに流出した現場動画のなかには、「あんたたちは人でなしだ。我々にも生活がある。食べて生きていかなければならないんだ」と怒り、叫ぶ市民の声が収められていた。

 

当局が取り壊しをする予定の野菜卸売り市場で警備に当たる政府派遣の要員。(NTD新唐人テレビの報道番組よりスクリーンショット)

 

武漢市武昌区にある野菜卸売り市場「小東門菜市場」で店舗を経営する約500人のテナント主は先月、地元政府から「市場の取り壊し」を告げる通知を受け取った。それは、あまりにも突然で、事前の説明も一切ない、一方的な退去命令であった。

市場の取り壊しを行う理由について、地元政府は「安全上の理由、および道路建設を行うため」と説明しているという。

地元政府からは「10日以内に退去しなければならない」と告げられている。しかし「当局からは、退去後の行き先の手配も、補償に関する交渉も一切ない」として、市場の全ての店舗経営者およびテナント主の全員が退去を拒否した。

11月30日夜、当局は暴徒鎮圧用の盾や「さすまた」などで武装した取り壊し隊のほか、施工業者、地元政府関係者など千人以上を市場に送り込み、取り壊しを強行しようとした。

しかし、強制退去に納得できない店舗経営者やテナント主らの強い抵抗に遭い、ついに衝突に至った。この衝突で複数のテナント主は負傷し、救急隊員によって担架で運ばれた。

衝突事件の後、地元政府は、引き続き安定維持のための要員を市場に派遣して警備に当たらせているという。

 

(あまりにも暴力的な当局のやり方に、市場の店舗主たちから「畜牲!(人でなし)」の罵声が飛んだ)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。