「人々は今、変革を求めている」 中国の街頭に現れた民衆のスローガンが語る真実

2023/10/03
更新: 2023/10/02

10月1日は、中国共産党が建国記念日とする日である。しかしこの日を前に、中国共産党に反抗し、民主と自由を求めるスローガンが中国各地の街角に現れており、当局が神経をとがらせている。このような事態について、アナリストは「中国国民は変革を求めている」と分析する。

この頃、広東省の路上で「言論の自由」を求めるスローガンが出現した、という情報がエポックタイムズに寄せられた。

情報提供者から送られた写真のなかには、街中のフェンスに「言論の自由」を求める内容の黒文字のスローガンが書かれていた。同様の内容をもつスローガンは、別の壁の上にも、赤色の文字で書かれている。しかし、情報提供者の友人が、その日の仕事を終えて現場を通りかかったころには、スローガンはすでに消されていたという。

このような人目を引くスローガンであるため、通行人が相次いでスマホ撮影した。

ところが、しばらくして駆け付けた公安によって、撮影者は関連写真の削除を強制された模様。公安は、撮影したかどうかにかかわらず、その場にいた市民全員の携帯電話をチェックした。写真データがあれば、削除させたうえ「この件を口外するな」と脅していたという。

これに先立ち、別の情報提供者は「広東省深センの地下鉄入口や店にも、民主化や習近平の退陣を求めるスローガンが現れた」と明かしている。

これらの事態に、現地政府は非常に神経質になっている。現地市民によると「(政府にとって)都合の悪いスローガン」がないかを専門に探す人員を配備しているほどだという。もちろん、そのようなスローガンが当局者によって発見されたら、すぐに消される。

このごろ、ネット上で拡散されている画像のなかには、ある陸橋に「帝政を終わらせろ(結束帝制)」とスプレーで書かれたものがあった。

この写真は、河北省石家荘市中山路の陸橋で9月27日に撮影されたものとされている。投稿者によると、この4文字(結束帝制)は「だいぶ以前から、そこにあった」という。これは、中国共産党による現在の習近平体制が、まさに「前近代的な、皇帝政治の時代に相当する」という民意の表れでもある。

また、ネット上に流出したある動画のなかには、北京市の高齢男性が、白昼堂々「習近平新時代の中国の特色ある社会主義」と書かれた大きな赤い横断幕を破り取り、悠然とその場を立ち去るシーンがあった。

この横断幕は、もちろん中国政府が民衆を洗脳するスローガンとして掲げたものである。警察に知られれば、即時逮捕される「大胆すぎる行為」だ。

人権の研究に携わる米国在住の法学者・李玉清氏は、次のように分析した。

「中国当局は市民のネット上での書き込みを削除したり、アカウント封鎖といったネット統制を行っている。そのため、民間の声をネットに上げるのは非常に難しい。だが、実際のところ、ほとんどの国民は中国共産党に反対している」

「いまや中国のネット検閲システムを突破して、外の世界の情報にアクセスできる若者は多い。さらに、3年に及んだゼロコロナ政策を経験した多くの中国人は、中国共産党がどういうものであるかを認識できている。しかも経済不況で、お金がない。今は、皆が変革を求めているのが現状だ」

中国共産党がどれほど強権を発動しても、中国国民の心は完全に離れている。朽ち果てた大木が倒れるのは時間の問題であるが、その時期は、思いのほか早いかもしれない。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。