この頃、河南省、山東省、四川省など中国各地で、毒のある虫「ハネカクシ」によるとみられる被害を訴える投稿が続々と寄せられている。関連するトピックスは、18日にSNSのホットリサーチ入りした。
有害物質を体内に持つこの虫は、中国だけでなく、日本にも広く生息する。
あわてて払い落とそうとすると、つぶれて出た体液が糸のように付着し、その箇所の皮膚が数時間後に発赤して、やけど痕のような皮膚炎を引き起こす。また眼に入ると、さまざまな眼の炎症を引き起こすため危険である。専門家は「この虫が皮膚にとまったら、叩いてつぶさずに、ハンカチでそっと払いのけて」と呼びかけている。
山東省のある女性は14日、「ハネカクシを手でつぶしてしまった。その毒液がついた腕の皮膚は、炎症を起こしてただれ、青色の傷跡のようなものが現れた。7日経っても、まだ治らない」と訴える動画を投稿している。
関連投稿には「これは恐ろしい。今まで見たこともない」「どこから突然やってきたのか?」といったコメントも少なくない。
「ハネカクシ」はアリによく似た、体長8ミリほどの細長い形の甲虫。翅(はね)がないようにも見えるためハネカクシと呼ばれるが、実は、よく飛翔するハネを持っている。なかでも注意が必要なのは「やけど虫」という別名を持つ「アオバアリガタハネカクシ」である。
「やけど虫」は体長7ミリほどの黒とオレンジのツートンカラーが特徴で、日本全国に分布しており、夏場にもっとも活発になる。その体液にうっかり触れると線状皮膚炎(ミミズ腫れ)や目に入れば結膜炎を起こして、やけどのような強い痛みをもたらす。
体液がついてから発症するまでに多少の時間がかかるため、忘れたころに突然生じるミミズ腫れなどの症状に当惑する人も多い。夏の日に、山や草むらを歩いた後、皮膚が赤く腫れて痛んだり、火傷をした時のような水ぶくれができた場合は、このハネカクシのせいかもしれない。
出会ったら、とにかく手でつぶさずに、ハンカチや帽子などを使ってそっと追い払うこと。触ってしまったら、その手で目をこすってはならず、石鹸を使って流水でよく洗い流す。なお、症状が重ければ皮膚科の治療を受けたほうが安全である。
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