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先ごろ、中国のネットを騒然とさせ、 国外メディアまで取り上げて注目を集めた「学食の料理から、ネズミの頭が出てきた事件」。その学生食堂に食材を納入していた企業が、新たな飲食企業を設立したことが分かり、ネット上では非難が殺到している。
6月1日、江西省南昌市のある職業大学で、学生食堂の料理から「ネズミの頭によく似た異物」が出てきた。当初、学校側および現地の市場監督管理局は「これは(食べられる)アヒルの首だ」と主張し、ネズミの頭であることを完全否定していた。
しかし、後に省調査団による分析の結果、やはり「ネズミの頭」であることが判明。学校側と管理局もその事実を認めた。問題を起こした学生食堂の営業許可は取り消され、関連企業には罰金を科すとともに「虚偽の発表を行った学校と市場監督管理局の関係者も処分する」と発表されていた。
関係者への処分で、事件はこれにて一件落着とされ、当局による「安っぽい正義」が演出された形で終わった。だが、具体的にどのような「処分」がなされたのかに関する当局の発表は、今もないままだ。事件が起きた学校の指導者や監督部門である役所の責任を追及する声は、依然としてネット上で広がっている。
事件に関与した企業が処罰されていないばかりか、事件の記憶がまだ消えないこの時期に、新たに飲食企業を立ち上げたことは、人々を呆れさせ、その怒りに再び火をつけることになった。
その背景には、今の中国において「食」に関する信頼性や安全性が根本的に揺らいでいる実状がある。多くの中国人は、ネットの動画で見てしまった「ネズミの頭」を、まだ忘れていない。
(学生食堂の料理から出てきた「ネズミの頭」)
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