中国のSNSで最近、上海のある女性のものとされる「セクシーな下着姿の写真が添付された求職用履歴書」が拡散され、ネット上で物議を醸している。
エポックタイムズの本記事に「その写真」を添付することは、筆者の熟慮の結果、控えさせていただく。要点のみを挙げれば「肌を露出し、胸元を強調した、いかにも男性誌むけのセミヌード写真」である。
印象としては、体に対して頭部が小さめのモデル体型であるようにも見える。ただ、それが見映えよく加工された写真であるのか、もともとの体型であるのかは分からない。いずれにしても、意図的に「人目をひく写真」にしてあることは間違いないだろう。
結論から言うと、この「セクシー写真つき履歴書」が、就職を熱望する本人が作成した本物であるか、他人の作為による偽物であるかは、どちらとも言えないのだ。
また、第三の可能性として、確かに本人の写真ではあるが、通常の就職活動のためではなく、世の中に注目されたいなど「別の意図」があってこのようにした、ということも考えられる。もちろん、それも全く想像の域を出ない。
言うまでもなく、このような「セクシー写真つき履歴書」など、通常の就活ではありえないことだ。
ただ、今の中国が「大氷河期」と言われるほどの就職難であることから「ここまでしても、採用担当者の目に留まることを意図したのか?」と人々に想像させるような、おかしな時代であることは言えるかもしれない。
ネット上で「物議を醸している」というのは、その想像の延長線上にある妄想が、やたらと人々の興味をかき立てているからである。
若い世代 (16~24歳)の失業率が、5月には過去最悪の20.8%に達した中国では、6月が大学の卒業シーズンである。その新卒者のなかで、就職が内定している学生は非常に少ない。つまり、ほとんどの大学生が、就職先未定のまま卒業していくのである。
今の中国で「卒業すれば失業」とういう厳しい現実は普遍的で、たとえ清華大学、北京大学、復旦大学などの「国家重点大学」と呼ばれる最高レベルの大学を卒業しても避けられないものとなっている。
繰り返すが、この「セクシー写真つき履歴書」の記載内容が真実であるか否かは、全く分からない。ただ、それによるとこの女性は、上海の名門校である復旦大学の経済学院を卒業した23歳で、姓を「劉」という。
この「セクシー履歴書」をめぐりネット上には、「これは仕事を探しているのか。それともパパを探しているのか?」といった女性への批判が殺到する一方で、「とても有能に見える。(ウチの会社で)採用だ」といった、男性ユーザーからと見られる軽薄コメントも目立つ。
関連話題が注目されて以来、女性の「出身校」と名指しされた復旦大学は「この女性は本学の卒業生ではない」と主張。上海(の警察)当局も「調査の結果、問題の履歴書は合成写真を使用したニセモノだ」と主張している。
中国の官製メディアの報道や警察の発表は、何でも「裏読み」することが肝要である。それは、中国に生きる民衆が経験に基づいて得た「知恵」であることは言うまでもないのだが、問題の「セクシー履歴書」がニセモノの反対(つまり本物)であるかどうかは、やはりまだ分からない。
ただし本記事の最後に、一つだけ、この暗黒時代の中国で生きていかなければならない若い世代のために、日本から心を寄せるつもりで以下の言葉を贈りたい。
あまりにも辛く不条理な時代ではあるが、どうかあなたの体と心を大切にしてほしい。
「職業に貴賎なし」という。今はどんな仕事でもいい。自分を守りながら、なんとか食べて、必ず、必ず生き抜いてほしいのだ。
ただし、中国共産党という悪魔に自分の魂を売ることは、してはならない。そこで、あなたの大切な命は尽きてしまうからだ。
中共から離脱して、生き抜くことが第一である。
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