歴史的判決 連邦判事が政府のSNS検閲に差し止め命令

2023/07/07
更新: 2023/07/07

連邦判事は歴史的な判決を下した。バイデン政権高官や司法省、FBIなどの政府機関が大手テック企業と協力してSNSへの投稿を検閲することを一部禁止する差し止め命令を出した。

この差し止め命令は、ルイジアナ州とミズーリ州の司法長官が、バイデン政権高官やさまざまな政府機関がソーシャルメディア企業に圧力をかけ、アカウントの停止や投稿の削除を求めたとして起こした代理検閲訴訟に応えるものである。

ルイジアナ州西部地区連邦地方裁判所のテリー・A・ドーティ判事は、7月4日の判決の中で、サイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁(CISA)、国土安全保障省(DHS)、米国務省(DOS)、司法省(DOJ)、疾病管理予防センター(CDC)などを含む政府機関が、ソーシャルメディア企業に対してさまざまな行動をとることを禁じている。

明らかにしたことは、衝撃的で、ぞっとする、憂慮すべき事

具体的には、各省庁とその職員は、電話、電子メール、テキストメッセージによる面会や接触、「保護された言論の自由を含むコンテンツの削除、抑圧、縮小を促す、圧力をかける、またはいかなる方法でも誘導したり、ソーシャルメディア企業とのいかなる種類のコミュニケーションにも関与する」ことが禁止されている。

また、SNSプラットフォーム上の投稿コンテンツに(警告の)フラグをつけ、その投稿の削除や、アクセスを抑制するなどの措置を求めることも禁じられている。

その他、政府によって保護された言論の自由を含むコンテンツの削除、抑圧、削減のガイドラインを変更するようソーシャルメディア企業に奨励したり、その他の方法で煽ったりすることも許されていない。

原告の一人であるルイジアナ州のジェフ・ランドリー司法長官は、判決後、エポックタイムズのインタビューで、「これは間違いなく、現代史において最も重要な憲法修正第1条の裁判の1つになるだろう」と指摘した。

「判事が示した意見書を見ると、これは基本的に、わが国の歴史上もっとも大規模な連邦政府による言論制限計画の1つである、と私たちの主張が述べられている。この事件で我々が明らかにしたことは、すべての米国人にとって衝撃的であり、ぞっとするような、懸念すべきことである」

トランプ大統領に任命されたドーティ判事は、バイデン政権を訴えた共和党の検事総長たちは「ホワイトハウスから連邦政府機関に至るまで、被告がその内容に基づいて言論を抑圧しようとする大規模な取り組みの証拠を提出した」と判決の中で書いている。

判事の裁定は最終的なものではない。しかし、この仮差し止め命令は、バイデン政権が大手テック企業に圧力をかけ、代理人による検閲を行なったと非難してきた共和党の検事総長たちにとっては勝利である。

「今日の差し止め命令は、確かに政府の行動を抑制し、ソーシャルメディア企業に対し、自社のプラットフォームで許可できることと許可できないことを指示することになると思う」とランドリー氏は語った。

 

すべてが抑圧されていた

判事は付随の覚書で、原告側は「政府が反対派を黙らせるために権力を行使したことを立証することに、本案に基づいて成功する可能性が高い」と書いた。

「コロナワクチンへの反対、コロナ期間中のマスク着用とロックダウンへの反対、コロナ研究室漏洩説への反対、2020年選挙の有効性への反対、バイデン大統領の政策への反対、ハンター・バイデン氏のノートPCの話は真実であるという声明や、権力者である政府高官の政策への反対は、すべて弾圧された」とドーティ氏は書いている。

ランドリー氏は、バイデン政権のプロキシによる検閲の例として、高位のホワイトハウス関係者とSNSプラットフォームとの間の電子メールのやり取りを挙げた。このやり取りでは、有望な大統領候補のロバート・ケネディ・ジュニア氏やメディアパーソナリティのタッカー・カールソン氏など特定の個人を標的とし、「彼らのコンテンツを取り下げるように直接SNSプラットフォームに要求していた」

「この裁判の証拠開示の過程で、私たちにとって衝撃的な情報が明らかになったことがいくつもあり、そのすべてがこの判事に提示された」とランドリー氏は語った。「それが今日、今日の差し止め命令に至らせた要因だと思う」

ミズーリ州の司法長官であるアンドリュー・ベイリー氏も、ソーシャルメディア上の一連の投稿でこの判決を称賛した。

ベイリー氏はツイッターで声明を発表し、「裁判所は、連邦政府の高官が何百万人もの米国人の憲法修正第1条の権利を侵害することを阻止するための我々の申し立てを認めた。なんという独立記念日の祝い方だろう」と語った。

「仮差止命令により、連邦政府全体(DHS、DOJ、DOSを含む)は、ソーシャルメディア企業と結託し、言論の自由を検閲することを強制することがほとんど禁止されている」と同氏は指摘した。

しかし、判事は命令の中でいくつかの例外を認め、政府当局者が犯罪行為や国家安全保障への脅威を警告するためにソーシャルメディア企業に連絡することを許可した。

また、選挙要件や手続きに関して有権者に誤解を与えることを意図した投稿について、ソーシャルメディア企業に通知することや、保護されていない自由なスピーチを抑制するために企業と連絡を取ることも認められている。

差し止め命令は、指定された機関およびそれらの代理人、役員、従業員、契約業者に適用される。

エポックタイムズがコメントを求めたところ、ホワイトハウスと仮差止命令で名指しされた諸機関は、報道時間までに回答しなかった。

ランドリー氏は、被告側が判決を不服として控訴することを予想し、それに対して彼とベイリー氏は「積極的に弁護する」と述べ、この訴訟は最終的に連邦最高裁判所で審理されることになるだろうと考えている。

「まだ終わっていない」とベイリー氏は投稿で書いた。「私たちはまだ始まったばかりだ」

 検閲は奨励された

ソーシャルメディア企業に働きかけ、アカウントを停止させたり、投稿を削除させたりしたバイデン政権の代理検閲を非難する訴訟はいくつかあるが、ルイジアナ州とミズーリ州が起こした訴訟は他のどの訴訟よりも進んでいる。

判事はルイジアナ州とミズーリ州の言論の自由を主張する申立てが妥当であり、更なる訴訟の価値があるとして、訴えの却下を拒否した。

ドーティ判事は3月の判決でこのように述べている。「この訴訟は、バイデン政権とさまざまな政府機関や役人が、ソーシャルメディア企業に対し、『左派が嫌がる見解や発言者を検閲する』よう促した疑いから生じたものである」

同判事はまた、ホワイトハウスとソーシャルメディア企業との間の電子メールのやり取りなどの証拠を収集することを原告側に許可した。

ドーティ判事は3月の判決で、「原告側はこの検閲はバイデン政権といくつかの主要政府省庁によって奨励され、おそらくは義務づけられたものでさえあったと主張している」と書いている。

昨年公開された文書によると、バイデン政権では、12もの機関にまたがる50人以上の職員が、大手テック企業に圧力をかけ、誤報とされる情報を検閲するよう働きかけていたという。

ランドリー氏はエポックタイムズへの寄稿に、「がんのように、この第一修正案の侵害は連邦機関の奥深くに根を下ろしている」と指摘。「これらの政府関係者は自分たちの行為が間違っているとは考えておらず、再び同じことをすることに何のためらいもない」と述べた。

The Epoch Times上級記者。ジャーナリズム、マーケティング、コミュニケーション等の分野に精通している。
関連特集: アメリカ社会