「マスク着用の弊害」研究で明らかに、頭痛、かゆみ、酸素摂取量の低下など

2023/04/17
更新: 2023/04/17

マスク着用が頭痛やかゆみ、酸素の欠乏など、健康への悪影響につながることが、研究から明らかになった。

5日、新型コロナパンデミック時のマスク着用による悪影響を調べた2,168件の研究のシステマティックレビューが、研究ジャーナル「フロンティアズ・イン・パブリック・ヘルス」に掲載された。

同レビューは「医療用サージカルマスクとN95マスクの両方に有意な影響が見られたが、後者の影響の方が大きかった」と述べている。

複数の研究のメタ分析によれば、頭痛はマスク着用者の間で「最も頻繁に見られる症状」であり、一般的なマスク使用者の62%、N95マスク使用者の70%に見られた。息切れは、一般的なマスク使用者の33%、N95マスク使用者の37% に見られた。

かゆみは、サージカルマスク着用者の17%が経験し、N95マスク着用者では51%に達していた。また、38%がニキビを、36%が肌荒れを、5%がめまいを経験していることが分かった。

マスク誘発性疲労症候群(MIES)

「マスクは、酸素の取り込みと二酸化炭素の放出を阻害し、呼吸性代償を低下させた」とレビューは述べている。

「評価された装着時間は、毎日または長時間の使用に比べて短いものの、マスク誘発性疲労症候群(MIES)および後段階の生理代謝機能障害が独立して検証された。MIESは、特にリスクの高いグループにとって、長期的な臨床的影響を及ぼす可能性がある」。

酸素の取り込みを制限し、二酸化炭素の放出を妨ぐ働きは、N95マスクの使用者でより顕著であることが確認された。二酸化炭素を繰り返し吸い込むことで、ヘモグロビン-O2飽和曲線は右にシフトする。

「O2およびCO2の恒常性は、後段階の多様な代謝プロセスに影響を与えるため、臨床的に問題となる方向への変化は、一過性の低酸素血症や高炭酸ガス血症、呼吸湿度の上昇、体温の上昇といった好ましくない結果につながり、生理的代償が損なわれる恐れがある」とレビューは述べている。

「コロナ後遺症」と誤解されることも

同レビューでは、マスクに関連するいくつかの症状が、コロナ後遺症の症状と誤解されている可能性があるとも指摘している。 

また、「どの事例においても、MIESは世界保健機関(WHO)による健康の定義とは対照的だ」という。

フェイスマスクの副作用については、ウイルス伝染に対する有効性を考慮した上で、リスク・ベネフィット分析に基づいて評価することを提案している。マスクの有効性を示す「強力な経験則」がない場合は、マスクの着用を 「法律で強制することはもちろん、義務化すべきではない」と同レビューは提言している。

2020年に起きたマスク方針の急変

新型コロナパンデミック発生以前から、呼吸器系ウイルスに関する既存のデータによって、マスク着用が感染拡大を防ぐ根拠がないことは示されていた。

1月、イスラエル国防軍中佐で内科専門医のヨアブ・イェヘスケリ氏は、エポックタイムズとのインタビューで、「2020年までに世界で行われた全ての研究には正当性がない」と語った。

米国疾病予防管理センター(CDC)とWHOが、一般市民はマスクを着用する必要はないというガイドラインを発行していたことを、彼は指摘している。

しかし、2020年に新型コロナが大流行し、世界中のマスク着用に関する推奨事項が突然変更された。イェヘスケリ氏は「呼吸器感染症に対して実際に効果があることを確認するための新たな専門家のサポートはなかった」と述べている。

12月にイェヘスケリ氏が共同執筆し、イスラエル医師会ジャーナルに送った手紙では、マスクの着用が最終的に害を及ぼす可能性があることを示唆する複数の研究を指摘した。

その潜在的な悪影響には、頭痛、息切れ、血中酸素濃度の低下、二酸化炭素濃度の上昇、集中力の低下、細菌汚染などがある。二酸化炭素の蓄積は、最終的に疲労感やぼんやり感、眠気を引き起こす可能性があると彼は指摘した。

マスク効果を疑う研究に圧力

また、マスクに効果がないことを暴露する研究には、圧力がかけられた。「システマティックレビューのコクランデータベース(CDSR)」に掲載された2023年の研究は、マスク着用の有無で新型コロナの伝染に「ほとんど差がない」と述べている。

ニューヨーク・タイムズのコラムニストが「マスクの有効性が科学的に明らかな理由はここにある」と題する意見文を発表し、コクランに見解を求めた。その後、コクランの編集長は、マスクに効果がないと研究が示しているのは「不正確で誤解を招く説明」であると声明を出し、論文の要旨を更新する旨を著者と「交渉中」であると付け加えた。

しかし、著者らはそれを拒否した。筆頭著者は「マスクが違いを生むという証拠はまったくない」と主張した。

英語大紀元記者。担当は経済と国際。
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