接種後の胸痛や息切れに要注意 コロナワクチンが「たこつぼ型心筋症」を引き起こす可能性=研究結果

2024/01/05
更新: 2024/04/23

新型コロナウイルスによるパンデミックに対応するために、様々なワクチンが急速に開発され、投与されている。

しかし、ワクチン接種の普及に伴い、コロナワクチンに関連した副作用や有害事象の発生が明らかに増加している。

研究では、コロナワクチンと「たこつぼ型心筋症」(一時的な心筋障害)との潜在的に関連がある可能性が明らかにされ、16人の患者のうち2人が死亡している。

たこつぼ型心筋症の臨床症状は急性心筋梗塞に似ている。突然の胸痛や息苦しさなどの症状がよくみられる。たこつぼ型心筋症の特徴は左心室機能の低下だ。愛する人の死、外傷、重篤な病気などの強い感情的・肉体的ストレスの後に発症することが多い。

たこつぼ型心筋症は1990年に日本の佐藤光医師によって初めて発見された。左心室が風船のように膨らみ、日本で使われるたこつぼに似ていることから「たこつぼ型心筋症」と名付けられた。

海外では、たこつぼ型心筋症はストレス心筋症、ブロークンハート症候群とも呼ばれている。

症例研究の一例

昨年8月、症例報告を共有する「Cureus」誌に、コロナワクチン接種後にたこつぼ型心筋症を発症した59歳女性の症例報告が掲載された。

この患者は6時間にわたって呼吸困難が続き、病院に緊急搬送された。患者の説明によると、過去2日間、断続的な胸痛を経験していた。

胸が刺されるような感覚で、痛みは回を重ねるごとに徐々に強くなったが、他の部位への痛みの放散はなかった。運動すると痛みが悪化し、痛みを和らげる方法はなかった。患者は3日前にモデルナワクチンのブースター接種を受けていた。

患者に発熱はなく、意識は明瞭、血中酸素飽和度は89%、血圧は150/90mmHgだった。 肺からパチパチとした捻髪音が検出された。コロナPCR検査では陰性が出た。

緊急心電図検査はST部分の上昇を示した(通常、ST部分は必ず基線と一致するはず)。胸部レントゲン検査では肺水腫が、超音波検査では左室収縮機能の低下が確認され、推定駆出率は30%だった。さらに、心尖部と前壁に中度の運動低下(運動活性が異常に低下)が観察された。

患者は頻脈と血圧変動が続き、体液過多による血行動態の不安定を引き起こし、最終的に心原性ショックに至った。医療チームは治療のためにノルエピネフリンとドブタミンの静脈注射を行った。他の病因が特定されなかったため、この患者はたこつぼ型心筋症と診断された。

治療を受けた後、患者は回復し、6日目に退院したが、その後も頻脈が続き、高血圧治療薬のメトプロロールによる治療を必要としている。

ワクチン接種前、患者は高脂血症、甲状腺機能低下症、セリアック病の既往歴があった。また、5年間喫煙していたが、15年前から禁煙しており、飲酒歴や薬物乱用歴はなかった。

研究者らは論文で、コロナワクチン誘発性たこつぼ型心筋症の病態生理学はまだ明らかではないが、”いくつかの説が提唱されている “と述べた。

コロナワクチンによって引き起こされる免疫反応は、個体によっては過剰な炎症カスケードを引き起こし、血管内皮機能障害、微小血管障害、心筋障害を引き起こす”かもしれない。ワクチン接種はまた、インターロイキン6のような炎症誘発性サイトカインの放出を刺激するかもしれない。さらに、コロナワクチン接種によって誘発されるストレス反応は、”自律神経調節障害に繋がり、心機能障害の発症に寄与する”可能性がある。

たこつぼ型心筋症が生命を脅かすリスク

コロナワクチンとたこつぼ型心筋症との関連はあまり知られておらず、報告されている症例はわずかだ。2023年12月11日、Cureus誌に掲載された査読付き研究は、コロナワクチン誘発性たこつぼ型心筋症に関する証拠を統合し、分析した。

研究者らは文献を検索し、合計16人の患者を含む15の症例報告をまとめた。そのうち14人がmRNAワクチン(ファイザー社、モデルナ社)を接種した。2人がウイルスベクターワクチン(アストラゼネカ社)を接種した。7人が初回接種後にたこつぼ型心筋症を発症し、7人が2回目の接種後に発症した。

すべての患者は心筋トロポニンT値の上昇、心電図所見の異常、心エコー図での左室駆出率の低下が観察された。

患者の症状は胸痛が最も一般的だ。次いで呼吸困難と吐き気。最終的に14人の患者は回復し退院したが、2人の患者は死亡した。

研究者らは、87.5%の患者が回復し退院したことは、ワクチン接種後に発生したたこつぼ型心筋症は、ほとんどの場合、 “一過性で可逆的 “であることを示していると指摘した。

しかし、患者のうち2人が死亡したことは、”このワクチンに関連した有害事象が生命を脅かす可能性がある “ことを強調している。

論文の著者らは臨床医に、ワクチン接種後に胸痛や呼吸困難の症状を呈した患者、特にmRNAワクチンの接種者を診断した場合、たこつぼ型心筋症の可能性を考慮するよう呼びかけている。

この研究では、コロナワクチンには、注射部位の痛みや腫れ、発熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感、吐き気などのさまざまな副作用があることにも言及した。

Ellen Wan
2007年から大紀元日本版に勤務しており、時事から健康分野まで幅広く携わっている。現在、記者として、新型コロナウイルスやコロナワクチン、コロナ後遺症、栄養学、慢性疾患、生活習慣病などを執筆。