今年の中国の大学卒業者数の見通しは1158万人だが、学生たちは厳しい就職難に直面している。このほど流出した大学内部会議のデータによれば、上海一流大学の新卒者の平均就職率は15%程度で、上海全体でも3分の1に満たないという。
浙江省漢鼎律師(弁護士)事務所に所属する厳華豊弁護士は15日、自身のSNSウェイボー(微博)に上海海洋大学の内部会議で使用された最新の就職状況に関するデータを映したスクリーンの写真を投稿した。
それによると、4月11日時点の上海海洋大学の卒業生の就職率はわずか14.83%であることが示されている。上海全体をみても、大学と短期大学を合わせた新卒者の平均就職率は32.80%だ。上海海洋大学は当局が一流大学・一流学科として認める「双一流」の成員校である。
台湾メディア・自由時報16日付によると、上海名門校の復旦大学でも昨年の卒業生で実際に就職した人数は700人にも届かないという。
上海の新卒者は今年23万6000人と過去最高を記録した。
新卒者が仕事を見つけたとしても、初任給は期待通りにならないことは多いようだ。台湾TVBSが報じる中国国内統計によれば、2021年の新卒者の平均月給はわずか5388元(約10.5万円)だった。そのうち4割程度が4000~6000元の給与で、2割強がやや高い6000~8000元だという。
このほか、中国の若者に広がる競争を避け無理をしない生き方を選ぶ「寝そべり主義」の広がりも指摘されている。TVBSの報道によると、「新入社員は給与が低くても仕事が少なくて疲れない職業を選び、職場と生活のバランスをとることで、異なる生き方を探求している」と伝えている。
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