新型コロナワクチン危害のリスクを増やす6つの要因

2022/12/18
更新: 2022/12/24

なぜ、新型コロナワクチン接種後の有害事象を報告する人々と、そうしない人々がいるのか? 

この疑問は、新型コロナワクチン有害事象の論争の中心となっている。

医師たちはスパイクタンパク質による疾病、特に新型コロナワクチン後遺症のリスクを高めるいくつかの原因を特定した。

医師たちは、スパイクタンパク質による疾病、特に新型コロナワクチン後遺症のリスクを高めるいくつかの原因を特定した。

FLCCC(COVID-19 Critical Care Alliance)の共同創設者である ポール・マリック博士(Dr.Paul Marik)は、10月15日のFLCCCの会議で次のように述べている。

「長期間の新型コロナウイルス感染症の症状および疾患メカニズムと新型コロナウイルスワクチンによる傷害には多くの重複がある」

どちらも全身性で、複数の臓器や組織に影響を及ぼし、スパイクタンパク質によって引き起こされる。これらのスパイクタンパク質は、炎症、ミトコンドリア機能障害、および自己免疫を引き起こす。

しかし、すべての人にこれらの症状が現れるわけではない。

人がスパイクタンパク質による機能損傷に苦しむかどうかは、不変かつ一時的な要因に依存している。

マリック博士=2022年10月15日、フロリダ州キシミー市でのFLCCC会議にて(Oliver Trey/NTD News)

 

スパイクタンパク質への曝露がリスクと重症度を高める

スパイクタンパク質による機能損傷を減らすには、ウイルス感染やワクチン接種によってスパイクタンパク質に曝露(体内に侵入されること)する機会を減らすことが重要だ。

早期治療により、通常は肺からスパイクタンパク質を除去し、スパイクタンパク質が血液に入るのをブロックすることで、スパイクタンパク質の曝露を防ぐことができる。

しかし、ワクチンは直接、筋肉と血管の中にスパイクタンパク遺伝物質を投与することによって、肺を迂回する。

ワクチン接種の数が多くなればなるほど、スパイクタンパク質による危害リスクが高くなるように、ワクチンには用量反応性がある。

マリック氏は、「患者がスパイクタンパク質に曝されれば曝されるほど、病状は重くなる」と述べている。

フラビオ・カデジャーニ博士(Dr.Flavio Cadegianni)は、新型コロナに感染した後に新型コロナワクチンを接種すると、スパイクタンパク質による機能損傷のリスクが高まるという仮説を立てた。ワクチンは普通の新型コロナ感染よりも、血液の中で大量のスパイクタンパク質を活性化させると考えられるからだ。

一般的な新型コロナ感染症では、ウイルスが肺から血液中に入ることは難しいが、ワクチン接種によってスパイクタンパク質のmRNAとDNAが三角筋に入り、血液中に入るという片道切符を手に入れることができる。

そして、mRNAとDNAワクチンは血管や内皮細胞に入り、これらの細胞はスパイクタンパク質を生成して細胞表面に提示することで、これらの細胞に対する免疫攻撃が行われる。

ワクチンからのスパイクタンパク質はまた、血流や細胞外液(リンパ液)の中に遊離して浮遊することもできる。これらのスパイクタンパク質は、ACE2受容体に結合し、かつ減少させ、抗体と複合体を形成し、前炎症反応を誘導する免疫経路を引き起こすことが出来る。

ワクチン接種によるスパイクタンパク質は、ワクチン接種後9か月 (pdf) も存在することが観察されているため、その後の接種とブースターにより、より多くのスパイクタンパク質が産生され、疾患のリスクが高くなる可能性がある。

FLCCC共同創設者のピエール・コリー博士は、現在、長期の新型コロナ感染症の後遺症(ロング・コビッド)とワクチンによる健康被害の治療のための診療所を開設している、博士は以上の症状を持つ患者が、スパイクタンパク質に曝されることで症状が悪化しているように見えることに気づいたという。

そのため、患者には、症状がコントロールできなくならないように、スパイクタンパク質に接触する機会を避けるように勧めた。

FLCCC共同創設者のピエール・コリー博士=2022年10月15日、フロリダ州キシミー市FLCCC会議で((Oliver Trey/NTD News))

 

ワクチンにおける様々な負荷

すべてのバイアル瓶(ワクチンが入っている容器)が同じ基準で作られているわけではない。

「How Bad is My Batch(私のバッチはどれほど悪いか」というウェブサイトは、コロナワクチン接種に関する健康被害報告システムからデータを集計している。

同サイトでは、各健康被害を対応するワクチンのバッチ(バッチコード=ロット番号)ごとに分けている。その中に一部のバイアル瓶が他のものと異なり、より多くの有害事象、死亡、障害に関連している可能性があることを示した。

これは、ワクチンの中の不純物が原因であると言える。

欧州医薬品庁(EMA)のスタッフから流出したメールによると、EMAはファイザー社のワクチン接種に際して、mRNAの完全性を50%だけ要求していたことがわかった。

しかし、潜在的な問題は、バイアル瓶によっては、mRNAやDNAのスパイクタンパク質の含有量が他のバイアル瓶よりも多い場合もあり、投与量が起因になる可能性もある。

現状では、医師はバイアル瓶に何が入っているかを確認する術がない。

FLCCCの会議で、FLCCC所属の内科専門医であるメリル・ナス氏は、「我々は基本的にこれらのワクチンに何が入っているのか知らない」と述べた。 医師が知っているのは、有害事象が出た人がいることと、すべてのバイアル瓶が同じ基準で作られているわけではないということだ。

ナス氏は、メイン州の医師免許を規制する州機関BOLIM(Board of Licensure in Medicine)により医師免許の停止処分を受けた。2022年1月、彼女はネット上で新型コロナの政策を批判したことを懸念材料として、BOLIMが選んだ心理学者による神経心理学的評価を受け、医師としての能力があるかどうか判断を受けるよう命令を受けた。彼女は訴訟を起こし、最近、公聴会が行われた。

 

遺伝因子

“家族の誰かがワクチンで傷害を受けた場合、その人の兄弟が…(同じく)ワクチンで傷害を受けることが非常に多いので、我々が理解していない遺伝的要因があるのです。”

マリック博士は、遺伝子変異が、新型コロナワクチン被害のリスクを高めている可能性もあると観察している。

メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)遺伝子に変異のある人やエーラス・ダンロス型症候群(EDS)の人などが含まれる。

米国では、約40%の人がMTHFR変異を持っているか、またはその影響を受けている。MTHFRは、葉酸(ビタミンB9)を活性型に変換する酵素だ。葉酸は、高濃度になると有毒なアミノ酸であるホモシステインを、有用なアミノ酸であるメチオニンに分解する役割を担っている。

MTHFR変異の種類とそのコピー数によって、MTHFR酵素の機能は中程度あるいは著しく低下する可能性がある。

このため、葉酸欠乏のリスクが高く、また、ホモシステイン値が新型コロナの悪化の直接的な予測因子となっているように、新型コロナの重症化のリスクも高くなる。

MTHFR変異遺伝子を持つ親族の人々の証言には、ワクチン接種後の有害事象が語られている。しかし、この遺伝的原因の背後にある実際のメカニズムはよく解明できていない。

一般に変異MTHFRを持つ人は、心血管疾患、糖尿病、高血圧、血液凝固障害、妊娠の喪失、ある種の癌や病気になるリスクが高いことが報告されている。

エーラス・ダンロス型症候群(EDS)は、主に皮膚、関節、血管に影響を及ぼす結合組織の疾患だ。これらの疾患を持つ人は、よく関節の脱臼、慢性疼痛、慢性疲労症状の報告がある。また、この疾患は炎症を伴うことが多く、ロング・コビッド(長期コロナ)やスパイクタンパク質誘発性疾患の主な誘因となっている。

Ground Picture/Shutterstock

 

慢性疾患と免疫不全の根底にあるもの

代謝性疾患、特に高血圧や2型糖尿病は、新型コロナ感染やワクチン接種において重篤な症状と関連している。

著名な心臓専門医であるアセム・マルホトラ(Dr. Aseem Malhotra)博士は、論文の中で、新型コロナで入院した非糖尿病患者の血糖値が1回でも高ければ、症状が悪化することが示された “と書いている。

肥満、糖尿病、高血圧、心血管系疾患など多くの代謝性疾患は、炎症によって引き起こされる。また、スパイクタンパク質は多くの炎症経路を誘発するため、これらの慢性疾患を持つ人はより大きなリスクを抱えているのかもしれない。

ウイルスとワクチンのスパイクタンパク質は、接触した組織全体の細胞上にあるACE2受容体に結合することができる。ACE2は炎症を抑える働きがあるが、この結合によりACE2受容体が減少するため、組織全体の炎症が増加するのだ。

マリック博士は「脳、心臓、肝臓、脾臓、卵巣にいる単核球がそれらに影響されることで、結果的に全身の病気になる」と述べている。

また、スパイクタンパク質は自己免疫力が高く、免疫システムが体自身の組織を攻撃することになる。

アリスト・ヴォイダーニ博士が率いる研究では、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質に対して作られた抗体が、「筋肉、関節、甲状腺、脳、皮膚、消化管など、体のさまざまな部分から採取したほとんどすべての抗原に反応する」ことがわかったという。

マリック博士とコリー博士が観察したもう一つの重要な発見は、ワクチン被害を受けた人は、長期コロナ患者よりも自己抗体の濃度が高いということがわかった。

新型コロナワクチン接種後、自己免疫疾患の発症や再発が多くの研究により確認されている。多発性硬化症、神経脊髄炎、関節炎、1型糖尿病など、多くの症例が報告されている。

自己免疫疾患の再発の場合、症状が重くなることが多い。

これらのことは、健康や免疫系を損なう慢性疾患の基礎疾患を持つ人々が、ワクチンによる被害の可能性がより高いことを示唆している。

 

現代の生活は、私たちを日光から遠ざけ、健康や免疫機能に重要な栄養素であるビタミンDの主要な供給源を奪っている。(Aleksandra Gigowska/Shutterstock)

 

ビタミン欠乏症

葉酸、コバラミン(ビタミンB12)、ビタミンDの欠乏は、新型コロナ感染症のリスクの上昇と関連している。

ナショナル・ヘルス・サービスの資金提供を受けて、英国の研究者が執筆した学術論文研究によると、ビタミンDとビタミンB12の補充により、新型コロナワクチン接種による神経症状が緩和されることが判明した。

ビタミンDは、抗炎症作用があり、免疫作用を高めることができる。ビタミンB12は、神経細胞を傷から守り、神経伝達を向上させるミエリン(神経細胞を包む脂肪質の被膜)の生成に役たつため、神経の健康に不可欠だ。

「新型コロナワクチンを含む、ワクチンは、まれに重度または慢性の神経学的反応を引き起こすことが知られている。我々は、高リスク群におけるワクチン接種前のビタミンB12欠乏症のスクリーニング調査を支持する」と本研究の著者は書いている。

 (fizkes/Shutterstock)

 

年齢と性別

マリック博士によると、新型コロナの接種後、女性の方が症状に悩まされるリスクが高いという。

この発言は、ワクチン後遺症と早期治療に関するアドバイスを提供するサイト「React19」が実施したアンケート結果に基づいている。2021年10月にアンケートで評価したワクチン後遺症に悩む患者は508名だった。

調査の結果、ワクチンによる被害を報告した人の81%が女性であることが判明した。男女別では、30歳から50歳の患者が最も多くなっている。

REACT19のワクチン被害者に関する調査結果、2021年10月5日に実施した調査。
(提供:React19(リアクト19))

 

また、ワクチン有害事象報告制度のデータによると、有害事象報告の約65%は女性であり、そのうち41%は報告時の年齢が18歳から49歳の女性であることが示されている。

また、50歳から59歳、65歳から79歳の女性の有害事象報告の割合も多く、女性では全体の35%近くを占めている。

スパイクタンパク質は、様々な経路で炎症を引き起こす。その1つが、細胞表面のACE2受容体に結合する経路である。この受容体は炎症を抑えるのに重要であり、スパイクタンパク質の相互作用によってACE2が減少することで、炎症の可能性が高まっている。

研究によりACE2受容体は多くの臓器に存在するが、特に卵巣と卵子に多く存在することが明らかになっている。

ワクチンの普及以降、多くの女性から月経不順の報告があった。

My Cycle Storyに掲載された事例は、6,000人以上の女性からの調査結果をまとめたものだ。その結果、過去100年間で40例以下の「Decidual cast shedding(別名/Membranous dysmenorrhea 膜様月経困難症:子宮内膜が剥離気味になる傾向)」が記録されていたことに対し、新型コロナワクチン普及以降、292名の女性が「Decidual cast shedding」を経験したという驚きの警戒すべき結果が判明した。

ニューヨークを拠点とするエポックタイムズ記者。主に新型コロナウイルス感染症や医療・健康に関する記事を担当している。メルボルン大学で生物医学の学士号を取得。