中国原産のシタベニハゴロモが米国14州で大量増殖 果樹などが被害

2022/09/23
更新: 2022/09/23

中国原産の害虫シタベニハゴロモが米国の14州で大量発生し、農産物などに壊滅的な被害をもたらして問題となっている。ペンシルベニア州農務省は「見つけ次第、駆除するよう」呼びかけている。

20日に放送された米FOXニュースの政治トーク番組「タッカー・カールソン」に出演した生物学者のフォレスト・ガラント氏は、シタベニハゴロモを「絶対的な害虫」と呼んだ。「とにかくあらゆる果物を襲うと報告されている」「ペンシルベニア州では約5000万ドルの被害が出ている」と同氏は話した。

シタベニハゴロモはもともと中国など東アジアに生息するカメムシ目の昆虫。米国では、2014年に中国からペンシルベニア州に輸入された岩石から初めて発見され、のちに東海岸全体に広まった。羽に斑点があり、羽を閉じた状態の成虫は体長が約2.5cm、幅が約1.27cm前後。

中国ではハチなどの天敵がいるので、増殖を抑えられていたが、米国侵入後は天敵がいないため爆発的に増えている。今年に入ってから、ニュージャージー州、ニューヨーク州など米国の14州に生息範囲を広げている。リンゴやブドウ、モモ、楓樹 (カエデノキ)などを好み、また、排泄物の液体はすす病を発生させる。

米国農務省(USDA)の外来生物情報センターは、シタベニハゴロモが米国内の多くの産業に「深刻な経済的脅威」を与えていると警告している。ペンシルベニア州農務省は発見次第「殺してから」、政府のウェブサイトに報告するよう市民に呼びかけている。

中国農業大学の研究チームは、米国のシタベニハゴロモは「中国ではなく、韓国から来た」と主張している。

(翻訳編集・李凌)