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アメリカ 華僑リーダー2人が法輪功への違法行為で有罪を認める

2024/07/27
更新: 2024/07/28

昨年5月に逮捕されたロサンゼルスの、中国共産党支持者「華僑リーダー」2人が、ニューヨークで罪を認めたことが明らかになった。彼らは未登録の中国共産党の代理人として、ニューヨークでの法輪功に対する中国共産党の違法な行為に関与していた。主犯格の陳軍は7月24日にニューヨーク南部地区連邦裁判所で罪を認め、もう一人の被告である林峰も翌25日に罪を認めた。2人はそれぞれ10月30日と31日に判決を受ける予定である。

林峰は25日に出廷し、認罪と刑罰に関する合意に署名し、迅速裁判を受けることに同意した。裁判では、彼は自ら積極的に罪を認め、刑罰を受け入れる意向をはっきりと示した。外国代理人としての登録違反と政府職員への賄賂提供の罪で「有罪」を認めた。

裁判において林峰は、2023年の1~5月にかけて陳軍と共に電子メールやメッセージングを通じて中国共産党の代理人として活動し、法輪功を攻撃したと認めた。彼らは中国共産党の上層部の命令に従い、アメリカの国税局の職員に賄賂を渡し、法輪功の活動を妨害しようと試みた。

林峰は、自分が陳軍の部下であり、彼の指示のもとで働いていたことを明らかにした。共に働く中で、彼は中国政府や企業の要人の利益のために行動していることを認識した。陳軍から直接話を受けるだけでなく、林峰自身も時折その会話に参加し、中国側の関係者との交渉に携わっていたと述べた。

林峰は、中国共産党の幹部たちが、法輪功に対し損害を与えるよう陳軍に命じていることに気がついたと証言した。そして、陳軍がその任務を果たすのを支援をし、2023年5月18日にJFK空港で国税局の特別捜査官に資金を渡すことが、林峰の役割であったことを裁判所は確認した。さらに、彼はその行為が違法であると知りつつも、それに加担していたことを認めた。

中国共産党政府からの指示

特筆すべき点は、林峰が「中国政府と中国の企業/会社」という言葉を2回用いたことである。裁判官アンドリュー・E・クラウス氏は、彼が言及した「重要な人物」が中国政府の関係者か、それとも企業側かをはっきりさせるよう要求した。林峰と陳は、どちらから指示を受けたのか、中国政府か企業か、またはその両方かという質問に対して、林峰は「両方から」と答えた。

検察官マイケル・D・ロッカード氏は、中国共産党政府が法輪功を弾圧する活動の一環として、陳と林が関与した計画を明らかにした。彼らはロサンゼルスからニューヨークに移動し、アメリカ国税局の内部告発者プログラムを不正利用し、法輪功学習者が運営する神韻芸術団の税免除の資格を剥奪しようと試みた。

偽の苦情情報を提出した後、2人は国税局の職員に5千ドルを2回に分けて賄賂として渡し、法輪功に対する苦情の処理を促した。計画が成功した場合、その職員には5万ドルと、報酬の60%を追加で支払う約束をした。しかし、その国税局の職員が、実際には潜入捜査官であった。

ニューヨーク州のホワイトプレインズに位置する連邦裁判所で、2人の被告は有罪を認めたと報じた(蔡溶/大紀元)。

認罪に応じ、合意のもと、検察は林峰に対し、12~18か月の懲役刑に加え、その後3年間の保護観察を提案している。林峰はすでに14か月の刑期を務めているが、彼はまだアメリカの市民ではない。そのため、認罪が原因でアメリカへの再入国が禁止されるか、市民権の取得が不可能になるか、あるいは国外追放される可能性がある。これらの最終的な決定は移民局が行う。

昨年11月に検察官が提出した保釈反対の書類には、この2人にはニューヨークでの別の目的があったと記されている。それはオレンジ郡で法輪功学習者をこっそりと監視し、彼らの情報を収集し、法輪功に対する攻撃計画を立てることであった。これらは中国共産党の指示のもとに行われた、長期にわたる活動の一部である。

ニューヨーク南部地区の連邦検事ダミアン・ウィリアムズ氏は昨日のプレスリリースで以下のように述べた。「陳軍と林峰は、IRSの職員と信じ込んでいた潜入捜査官に賄賂を渡そうとした。彼らは中国共産党の代理人として、法輪功に対する嫌がらせや脅迫行為を行っている」

「法輪功は、中国共産党によって迫害されている団体である。このような自由を侵害する行為は、アメリカでは決して許されるものではない。私たちのオフィスは、アメリカ国内での外国勢力の悪質な国際的な弾圧を阻止するために、引き続き尽力していく」とウィリアムズ氏は述べた。

異色の経歴を持つ陳軍と林峰

72歳の陳軍はカリフォルニア州チノ市に住み、ロサンゼルスにある天津出身者の会の会長を務める一方、南カリフォルニアで複数の親中派団体を設立した人物である。彼は、中国人社団連合会の会長、海外連誼会の理事、中国僑連の海外委員、天津市僑連の顧問、天津海外交流協会の副会長など、統一戦線における多くの重要な役職を歴任してきた。

陳軍は1969年に天津外国語学校を卒業し、その後軍に入隊。彼は中国共産党の第46航空兵団に6年間勤務し、国防科学技術委員会の第20訓練基地、甘粛省酒泉にあるミサイル実験基地に配属されていた。

1975年には、外貿企業への転職を経て、天津市政府のアメリカ西海岸での貿易代表を務めた経験がある。1992年にアメリカに移住し、市民権を取得した後も、中国の永住権を保持し、毎年3か月以上は中国で過ごしている。

彼は長年にわたり、中国共産党のために多くの活動を主催してきた。これには、CNNに対する抗議活動、オリンピックの聖火リレー、中国工農紅軍の長征勝利80周年記念の紅歌会などが含まれ、中国共産党を支持する中国人コミュニティの組織化に貢献している。

裁判所の証拠によれば、彼は中国共産党の公式イベントに頻繁に招待され、軍事パレードや中国共産党創立70周年の祝賀行事にも参加している。録音した通話の中で彼は「自分は一歩一歩努力してこの地位についた」と語り、「習近平には10年の間に3度招かれた」と述べている。また、彼のiCloudには習近平との写真が保存されていることも明らかになった。

45歳の林峰は、かつて中国の自転車代表チームのメンバーであり、南カリフォルニアにある「愛中国・護香港青年大連盟」の会長を務めていた。

陳軍と林峰は、外国政府の代理人としての登録を怠った罪と、政府職員に賄賂を送った罪を認めることになった。

蔡溶