中国ジャーナリスト、米国に出国 「鎖の母」調査で拷問

2022/08/09
更新: 2022/10/25

「何度か死刑囚が使うような鉄の椅子に座らされた。あの鉄の椅子はとても恐ろしかった。数十キロはあるんじゃないかと思った」。中国人ジャーナリストの趙蘭健氏は4日、大紀元中国語版のインタビューで、公安当局の取り調べを受けた時の様子をこう語った。

中国江蘇省の農村で今年1月、40代の女性が首を鎖でつながれた状態で発見され、中国社会に衝撃が広がった。女性は人身売買の被害者で8人の子供を産まされた。趙氏は事件の裏を追跡したフリージャーナリストだ。

江蘇省当局は2月下旬、女性は人身売買の被害者で、雲南省福貢県亜谷村出身の小花梅であるなどと発表した。いっぽう、顔の特徴が一致していないなどのことから、当局の発表を疑問視する声が根強い。

趙氏は雲南省福貢県に赴き、現地で約1カ月間人身売買の実態を探り、小花梅の叔父にインタビューした。その取材映像では、叔父とされる男性は「鎖の母」は姪の小花梅ではないときっぱりと否定した。

趙氏は当局の調査結果は事実を捻じ曲げていると主張し、証拠として自らの取材記録を公開した。その話では、海外メディアや、中国国内SNSに取材映像を拡散し、当局にも再調査を求めて映像を提出したが、公安当局に拘束され長時間の取り調べを受けることになったという。冒頭の文言はその証言の一部。

身の安全を案じて趙氏は5月上旬マレーシアに出国し、7月に米国にたどり着いた。

米大紀元本部の記者は趙氏を取材した2日後、江蘇省公安局に電話をかけ、一部事実関係を確認しようとしたが当局者は対応しなかった。河北省公安局にも電話したがつながらなかった。

 

(取材:寧海鐘、顧暁華)

関連特集: 時事