日経平均2892円安も悲観不要 「リバーサル相場」と「日本企業の原油高耐性」

2026/03/09
更新: 2026/03/09

2026年3月9日の東京株式市場において、日経平均株価は一時4,000円超という記録的な下落に見舞われた。終値は前週末比2,892円12銭安(5%安)の5万2,728円72銭となり、1日の下げ幅としては過去3番目の大きさを記録する歴史的な急落となった。

この大幅な株価下落の主な引き金となったのは、イラン情勢の悪化とそれに伴う原油相場の急騰である。イランによるホルムズ海峡の実質封鎖やエネルギー施設等への攻撃により、グローバル市場全体で世界の景気減速やインフレへの懸念が一気に広がった。その結果、東京市場では株式だけでなく、債券や通貨も同時に手放される「トリプル安」の事態となった。

市場がパニック的な売りに押される中、野村證券の市場戦略リサーチ部長である池田雄之輔氏は、現在の状況をこれまで大きく買われたものほど大きく売られる「リバーサル」の相場であると分析している。今後の日本株の見通しについては、以下の理由から過度な悲観を戒めている。

  • 日本企業の高い原油高耐性 野村證券の試算によると、日本の企業利益は原油高に対する耐性が比較的高い。仮に原油価格が1バレル=120米ドル前後で推移する状態が1年間続いたとしても、主要企業の増益基調は簡単には崩れないと分析している。
  • 底堅い米国景気 市場の一部では米国雇用への警戒も重なっているが、各種経済指標(ISMサービス業調査など)は堅調であり、米国景気の基調的な強さは崩れていないと評価している。

結論として、野村證券は今回の歴史的な急落について、「長期ダウントレンドの始まりではなく、やや過激な短期調整」であると位置づけている。当面は中東情勢や原油価格の動向に振り回される展開が予想されるが、米国景気や日本企業の基礎的な稼ぐ力は維持されているというのが同社の見解だ。

エポックタイムズの速報記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。