米上院議会で15日、安倍晋三元首相を追悼し、その功績を讃える決議案が提出された。上院の68議員が共同提出者として名を連ねており、超党派の賛成で採択される見通し。
法案を提出したのは駐日米国大使を経験したビル・ハガディ上院議員(共和党)。今年4月の訪日の際にも安倍氏と会談するなど、親交が深い。
決議案では、「日米両国が今後数十年にわたり協力し、世界の自由、繁栄、安全保障を促進し、権威主義や専制政治に対抗するための永続的な基礎を築いた」と、安倍氏の功績を称えている。
さらに、対中抑止を念頭に置く安全保障協力枠組み「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」や日米豪印の4カ国による戦略対話「クアッド」は安倍元首相のビジョンから生み出されたものであると紹介した。
核ミサイル開発を続ける北朝鮮に対しては、安倍元首相の協力がなければ有効な手立てを打つことができなかったと指摘。経済、外交、安全保障等の分野において日米同盟の結束を強化したこともとりげられた。日本人拉致問題の解決に不断の努力を重ねたことをも讃えた。
ハガディ氏は12日、通信社ブルームバーグの番組に出演し、友人である安倍氏の死に哀悼の意を示した。安倍氏の掲げた構想は、米国の安全保障上の利益にも一致することから、岸田首相が同氏の構想を引き続き推し進めていくことに期待するとした。
ハガディ氏は4月、カーディン上院議員、コーニン上院議員と共に訪日し、安倍氏と面会している。自衛隊と米軍が相互運用に取り組み共同訓練を増やすことで、中国共産党の侵略に対抗可能な、地域で最も優れた戦力を持つことができると提案したという。
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