米国務長官、中国が攻撃すればフィリピンを防衛 中国を牽制

2022/07/14
更新: 2022/07/14

ブリンケン米国務長官は12日、南シナ海における中国の主権主張を退けた国際裁定から6年を迎えたことを受け、同盟国であるフィリピンが中国から攻撃を受けた場合、米国はフィリピンを防衛すると表明した。

ブリンケン氏はマニラの米大使館が発表した声明のなかで、1951年の米比相互防衛条約に基づき「南シナ海でフィリピンの軍隊、公船、航空機を武力攻撃すれば、米国の相互防衛義務が発動されることを再確認する」と強調。「国際法上の義務を守り、挑発的な行動をやめるよう再度要求する」と海洋進出を強める中国を牽制した。

オランダ・ハーグの仲裁裁判所は2016年7月、フィリピン側の提訴を受け、中国が独自に策定した南シナ海のほぼ全域を囲う境界線「九段線」には根拠がないとする判決を下した。これに対し中国は判決を否定し、人工島の建設や軍事力を背景に周辺国を威嚇して、南シナ海の実効支配を強化している。

フィリピンのエンリケ・マナロ外相も同日、声明で仲裁裁判所の「議論の余地のない」判決を、「弱体化させようとする試みを断固として拒否する」と表明した。

南シナ海では、中国のほかにも、ベトナムやマレーシア、台湾、ブルネイが領有権を主張している。6月には南シナ海に中国漁船が100隻を超えて集結したほか、フィリピン側の輸送船を追い回したとしてフィリピン政府は中国に抗議していた。
 

米国をはじめ国際関係担当。
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