在イスラエル中国大使館がこのほど同国の有力英字紙エルサレム・ポストに対し、台湾外相との独占インタビュー記事を削除するよう要求していたことがわかった。同紙は拒否した。
エルサレム・ポスト紙は5月30日、「台湾外相、『中国はわれわれへの侵略に備えている』」との見出しで、台湾の呉釗燮外相との独占インタビューを同ウェブサイトに掲載した。
同紙のヤコブ・カッツ(Yaakov Katz)編集長は同日、ツイッター上で記事を掲載した直後に中国大使館の外交官から電話連絡を受け、削除するよう強要されたと明かにした。
「明らかに私はその記事を削除すべきだった。さもなければ、彼らはエルサレム・ポストとの関係を絶ち、イスラエルとの外交関係も引き下げるだろう。しかし言うまでもないが、記事を削除するわけにはいかない」と同氏は書き込んだ。
1人のネットユーザーはカッツ編集長のツイートに対し、「脅しは報道(の影響)を拡大させるだけ」とコメントを書き込み、「より多くの台湾の高官とインタビューすべきだ」と提案。
同紙は5月31日にウェブサイトに掲載した同記事を紙面にも掲載した。
呉外相はインタビューの中で、中国政府による台湾侵攻の可能性について懸念を示し、イスラエルに対し「中国への過度な依存」を警告した。
呉氏は「権威主義的国家の中国は他国との貿易関係を『武器』として使っており」「中国と取引する際に譲歩してはいけない」とアドバイスしたという。
エルサレム・ポスト紙は先月10日にも、新疆関連のコラムを掲載していた。これに対して中国大使館は書簡を送りつけて反発した。
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