米国務省、大紀元に情報提供した11人の釈放を中国当局に求める

2021/08/29
更新: 2021/08/29

米国務省は、中国当局に対し、中国国内の中共ウイルス(新型コロナウイルス)感染拡大の情報を大紀元に提供したとして拘束された中国人市民11人を釈放するよう求めた。また、中国国内での真実の報道を妨げる行為を非難した。

「米国は中国政府に対し、新型コロナウイルスに関する報道規制を理由に拘束されたジャーナリストとその関係者を釈放し、真実を報道しようとする人々を沈黙させる取り組みを停止するよう求める」と国務省の報道官は大紀元にメールで述べた。さらに「新型コロナウイルスに関する独立した、透明性のある、事実に基づいた報告の重要性を一貫して強調する」と付け加えた。

拘束されている11人は全員、法輪功学習者。北京東城区拘置所に1年以上拘禁されている。弁護士によると4月の起訴状で11人は、「2020年2~6月の間に写真を撮影し、海外のウェブサイトにアップロードした」として告発された。

起訴状には具体的なウェブサイトの名前は明記されていなかったが、各国の言論弾圧を監視する米NPO団体・ジャーナリスト保護委員会(CPJ)は24日、拘留者たちは大紀元に情報や写真を提供したとして起訴されたと声明を発表した。

参考:米記者団体、中国人市民11人の釈放呼びかける 昨年大紀元に情報提供

中国当局は、中共ウイルスの感染情報や死者数を隠蔽し、厳しい言論統制を敷いている。内部告発を行った医師、市民ジャーナリスト、学者は、感染拡大に関する情報や党の政策を批判したことで、当局から処罰された。

CPJのスティーブン・バトラー氏は24日に発表した声明の中で「中国当局は、市民がパンデミックで封鎖された町の状況を報道し、写真の公開を妨げるべきではない」と言論の自由を封じる中国当局を非難した。さらに「11人への訴えを取り下げ、彼らを直ちに釈放すべきだ」と付け加えた。

大紀元の広報担当者は、11人の身の安全を懸念し、国際社会に「報道の自由に対する侵害を非難する」よう呼びかけた。

大紀元は中国共産党が隠蔽する中国の真実を世界に伝えることを使命に、2000年にニューヨークで設立した。設立当初、中国本土の記者は10年にもわたって投獄され、拷問を受けた。

法輪功の情報サイト・明慧ネットは15日、北京市東城区人民法院は8月19日に予定していた11人の出廷を中止したと報じた。大紀元は人民法院に何度も問い合わせたが、返答は得られなかった。

拘束者の1人である許那氏の弁護士・謝燕益氏は5月から、弁護活動をやめるよう当局から妨害を受けている。同氏はこの事件を「李文亮のエスカレート版」と呼び、中国当局が「犯罪を犯している」と批判した。

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李文亮氏は、中国政府の発表前からいち早く中共ウイルスについて警鐘を鳴らしていた医師の1人。同氏は「デマを流した」などとして警察から訓戒処分を受け、自身も中共ウイルスに感染して死亡した。

武漢市で中共ウイルスの感染流行について報じた、市民ジャーナリストの張展氏も「ウソの情報を流した」などとして、懲役4年の実刑判決を言い渡された。人権擁護サイトChina Changeが公開した判決文によると、張氏の罪状の一つは「海外メディア『ラジオ・フリー・アジア』や『大紀元時報』の取材を受け、悪意を持って武漢の新型コロナウイルスに関する虚偽の情報を拡散し、幅広い視聴者に悪影響を与えた」というものであった。

同氏は昨年5月に逮捕されて以来、無罪を訴えてハンガーストライキを続けている。現在、体重は40キロ以下まで激減した。

米国務省報道官は、「市民ジャーナリストを含む自由で独立したメディアは、(中国)政府の説明責任を果たすために不可欠であり、将来の感染症やパンデミックから身を守ることができる」と述べた。

(翻訳編集・蓮夏)