中国1~8月工業利益が完全失速 上海は前年比約2割減

2019/10/11
更新: 2019/10/11

中国浙江省統計局がこのほど発表した統計では、中国の1~8月の全国工業部門企業利益は前年同期比1.7%減で、そのうち、上海、北京、山東省は2桁のマイナス成長となった。特に、中国最大の経済都市である上海の工業利益が2割近く鈍化したことは大きく注目された。

同省統計局のウェブサイト、「浙江統計信息網」が9月30日、「1~8月の浙江工業部門企業利益の伸び率は全国平均を上回った」と題する記事を掲載した。これによると、同期浙江省の工業利益は2.8%増で、「全国平均の1.7%減を上回った」。

さらに、同記事は中国東部の7省・市の工業利益がマイナス成長になったと明らかにした。「北京は14.4%減、天津5.8%減、河北省11.2%減、上海19.6%減、江蘇省3.5%減、山東省13%減と広東省は0.4%減だ」という。

同記事はすでに削除された。一部の中国人ネットユーザーはツイッター上で、「(浙江省統計局は)本当に正直だった。こんなにも悪い数字もそのままを公表した」などと称賛した。

中国金融学者の司令氏は10日、米ラジオ・フリー・アジア(RFA)に対して、「全国企業部門収益が前年比鈍化したことは、企業の赤字が深刻な状況にあることを浮き彫りにした」と述べた。経済活動が盛んな中国南部の企業情報を入手した同氏は、同地域にある大多数の企業の収益が昨年と比べて3割以上減ったという。

(翻訳編集・張哲)

関連特集: 米中貿易戦争