米、中国企業が対露輸出規制違反なら「実質的に閉鎖する」と強く牽制

2022/03/09
更新: 2022/03/09

レモンド米商務長官は8日、米国がロシアに対して打ち出した先端技術の輸出規制に協力しない中国企業は、「実質的に閉鎖」される可能性があると警告した。中国における製品の製造に必要な米国製装置やソフトウエアの供給を止める措置をも辞さない構えだ。

レモンド氏は米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで「(ロシアが)制裁や輸出規制を回避するため、ほかの国にすり寄ることは間違いない」と指摘。半導体大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)や他の中国企業がロシアに半導体などを輸出し続けた場合、中国の半導体製造能力は壊滅的なものになると牽制した。

ロシアによるウクライナ侵攻に対する経済制裁の一環として米政権は先月24日、ロシアに対して軍事機器に使用されるハイテク製品などの輸出を厳しく制限する規制を発表した。半導体チップのみならず海外で製造される米国原産品の輸出も対象となる。

レモンド氏は規制の発表に際して「ロシアの行動はウクライナ人にとって差し迫った危機であると同時に、世界中の民主主義に脅威を与えている」と非難。日本を含む同盟国や友好国と緊密に連携し、ロシアの侵略を容認しないという明確なメッセージ発信すると表明していた。

中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)は、国家安全保障を理由に米国が2020年に発動した制裁措置により大きな打撃を受けた。米国技術が関わる半導体の輸出規制により同年のスマートフォン販売台数は前年比24.1%減となり、第4四半期には41%急落した。

米国をはじめ国際関係担当。