在韓米軍基地キャンプ・ハンフリーズは、南北境界線の南100キロに位置する。南に向けられた大量の北朝鮮のロケット弾の射程範囲外にある。
北朝鮮との軍事的接触の脅威が高まる昨今だが、この基地内での米軍家族たちの生活は、いたって平穏なようだ。歴史的な南北首脳会談を目前に控えるなか、VOAが25日、キャンプ内の様子を報じている。
ジョセフ・プスカス(Joseph Puskas)陸軍中佐は週末、高校生になる娘のサッカーの試合を見に来ていた。「日曜日(午前)には教会へ行っている。そこでほとんどの友人と会っている。午後にはサッカーをしているか、サイクリングだ。米国にいるのと同じことをしている」とVOAに語った。
プスカス中佐の韓国派遣は4度目になる。前回の派遣で、韓国人のミジョンさんと出会い、結婚した。3人の子供たちは、大半の時間を在韓米軍基地内で送っている。
基地での生活について、長女エリザベスさんは「私の世界観を広げ、他者への理解を深める手助けとなった」と語った。来年は米国のカレッジに入学する予定だという。
キャンプ・ハンフリーズの広さは140平方キロメートルほど。小さな都市ほどの規模だ。敷地内には、住宅設備、学校、映画館、米国の店舗が並ぶショッピングセンター、ファストフード店、レストランなどがあり、ゴルフコースも設けられている。米軍家族が快適に過ごせるよう施設が完備されている。
米軍は現在、ソウル近郊の古い基地や他地域の施設を閉鎖させ、キャンプ・ハンフリーズに司令本部を移設するなどの統合を図っている。また、さらに4万人を収容できる施設を建設中だ。VOAによると、拡張工事の費用はおよそ110億ドル(1.2兆円)。韓国政府は、基地内の道路、水処理施設などを建設するために9億ドル(約980億円)以上を支援したという。
VOAによると、プスカス中佐は、北朝鮮の核ミサイル実験の脅威と開戦の可能性や、6月までに行われるドナルド・トランプ大統領と金正恩・朝鮮労働党委員長との首脳会談の動向について問われても、多くを語らなかった。
「当然、私たちは現状を敏感に感じ取っている。(米軍は)心配をするべきか?私たちは考えていかなければならない」
プスカス中佐は、キャンプ・ハンフリーズの多くの人々と同様、軍人としての迅速な対応と、家族に対する責任ある行動とのバランスを取っていると述べた。
(翻訳編集・佐渡道世)
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