ニュージーランド政府はこのほど、外国人の不動産購入を禁止する法令を発動した。同政府は、中国人投資家を主とする「国際資本の過度な投資」で、国内住宅価格が高騰し、多くの国民が住宅購入難に陥っているとの認識を示している。米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が7日報道した。
同報道によると、昨年ニュージーランド全国の住宅中央値(Median Price)が前年比で5.8%上昇の55万ニュージーランドドル(約4401万9316円)となった。
また、17年6月までの1年間に、首都ウェリントンの住宅価格は同18%急騰した。高価格のため、国民のマイホーム購入ができなくなっている。
さらに、25年前住宅や不動産が保有する国民の数は全体の75%だった。今は64%まで減少した。不動産保有者の数はまだ減り続けているという。
住宅価格高騰の主因は、低金利、住宅の物件数が少ないこと、移民ブームだという。
同国ヴィクトリア大学のノーマン・ジェメル教授はVOAに対して、スウェーデンにも同様な外国人不動産購入禁止法があるとした。「価格の急騰で、地元住民が住宅購入を躊躇している。自国の不動産資源配分の観点から対応策が必要だ」との認識を示した。
デイビッド・パーカー貿易相も、新法令の目的は住宅価格高騰の沈静化ではなく、本国国民の権益を保護するためだとの見方をした。
中国人投資家は、ニュージーランドのオフショア不動産投資の主力だ。
新法案の実施は、近年のニュージーランドに巨額な中国資本の流入に対する強い不安と懸念を浮き彫りにした。
(翻訳編集・張哲)