通行人が北京のアップルストア前を横切る(Ed Jones/AFP/Getty Images)
【大紀元日本4月5日】米国ニューヨーク在住のある法輪功学習者は、最近購入したアップル社のコンピュータ「iMac-27」の異変に気づいた。閲覧しようとした特定サイトが、開くとすぐさま閉じてしまうのだ。同社機器に、共産党の検閲システムが組み込まれた疑いが持たれている。
閲覧が出来ないサイトは、本紙大紀元や明慧ネット、新唐人テレビなど、法輪功の迫害を伝える中国政府の検閲を受けない独立メディアや、共産党が「敏感な問題」と指定しているサイト。なお、これらに関連しないサイトは通常通り開くことが出来たという。
この法輪功学習者の個人情報は、本人と中国国内にいる親族の安全のために明かされない。
彼は、このコンピュータをアップル社公式サイトから注文した。荷物の送り状を調べると不思議な点がある。コンピュータは中国上海工場から出荷され、米国に届いたのち、再び上海に戻り、ニューヨークに届いたとの記録がある。アップル社に新品と交換するよう依頼したが、致命的な欠陥でないとして交換はされず、修理に持ち込むよう提案された。
このコンピュータを分析したニューヨーク在住のセキュリティ専門家・趙氏は、コンピュータは法輪功関連のサイトをすべて閲覧できないようなシステムを組み込まれ、さらにインターネット検索の記録を監視するソフトも導入されていると見ている。また、容易にこのソフトを除去することはできず、仕組みを発見することも難しいという。また、利用者がオンラインになれば、利用者のデータが、遠方の、例えば中国のサーバに転送されることさえありうるという。
共産党の検閲 ターゲットは法輪功
個人情報の監視道具として、中国は情報検閲の技術開発力を高めている。中国政府の工業情報化部は2009年、中国で販売されるすべてのコンピュータ製品にインターネット・フィルタリングソフト「グリーンダム」の搭載を義務付ける計画を告知した。しかし、技術力や資金の不足、国際社会からの非難の声があがったため、すぐさま計画は無期限延期になった。
検閲対象用語のサイトを閲覧しようとすると、「削除した」とのメッセージが表示される(ミシガン大学調査チームの撮影したスクリーンショット)
表面上、検閲ソフト「グリーンダム」はポルノ防止のためだと言われていた。しかし、実際は法輪功に関連する情報が標的であったことがわかっている。ミシガン州立大学電気工学及びコンピュータサイエンスの調査チームは、このソフトを分析した結果、検閲対象の中国語3万5860の単語のうち、およそ3万5440が法輪功に関連があるものであることが明らかになった。
これらの単語は研究者の一人、アレックス・ハルダーマン助教授の作成したページで確認できる。
研究者は「検閲単語のあるページに触れると、『この情報は良くないため、削除されました』といったメッセージが表示され、プログラムが強制的に閉じるという。先のニューヨーク在住の法輪功学習者が体験したものと似た現象だ。
セキュリティ専門家の趙氏は、法輪功学習者それぞれは共産党の検閲対象と見ている。「グリーンダム計画が表面上中止になっていても、実際は中国産のコンピュータには検閲ソフトが組み込まれている」と述べた。
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