【大紀元日本2月21日】中国環境保護省は20日、化学物質の環境リスク管理計画書を発表した。中国の化学物質汚染の状況は「極めて深刻」とし、がん村など甚大な健康被害を生じた地域も存在することを認めた。
同計画書によれば、中国で使われている化学物質は4万種以上で、その中の3000種は「危険有害」とされている。さらに、毒性や高蓄積性、難分解性、発がん性をもつ数十種類の化学物質は人体や環境への危害が大きいことから、国際的に使用制限・禁止されているが、国内では依然、大量生産・使用されている実態も浮き彫りになった。
環境保護省が2010年から、環境リスクの高い石油化学工業や医薬産業1万8000社を対象に行ったリスク評価によると、「重大リスク」となる企業は全体の18%で、「比較的大きいリスク」は22%。合わせて4割の企業が環境に大きな影響を与える恐れがあるという。また、対象企業の中で、周囲5キロ以内に水源があるのが23%を占め、周辺に住宅地があるのが8割以上の1万5000社となっていることも明らかになった。
さらに同計画書は、国内の水源や近海水域、野生動物、人体から多種の化学物質が検出され、一部の地域では残留性有機汚染物や内分泌かく乱物質が高い濃度で存在することも指摘。水質汚染による飲料水危機、大気汚染問題、ひいては「がん村」に代表される化学物質がもたらした深刻な健康被害も生じていることを認めた。
化学物質をめぐる生産事故、運輸事故、排気排水事故による「突発環境事件」は2008~2011年の間、環境保護省が把握しているだけでも568件。この内、危険化学物質にかかわるのが287件で、全体の約半分を占めている。
同計画書はこれらの状況を踏まえ、「十二・五(第12次5カ年計画、2011~2015年)」期間中に、58種類の化学物質を重点監視対象とするなど、管理を強化する内容となっている。
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