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中国政府、COP26サミットで協力を拒否 経済脆弱性を隠す狙いか

2021/11/22
更新: 2021/11/22

気候変動対策への全面的な協力を拒む中国政府は、経済の実態を隠そうとしている可能性がある。

国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)が、10月31日から11月12日まで英国グラスゴーで開催された。中国政府は透明性に欠け、諸外国からの信頼を得られていない。締約国として、実際の経済データを提出する義務があるが、中国政府はそれを拒否している。これは、中国が経済データに秘密を隠していることを意味するのだろうか。

中国の習近平国家主席が今回のサミットに出席しなかったことが大きく報じられている。これは、中国政府が気候変動対策のための合意形成を妨害しているものと考えられる。

中国共産党(以下、中共)が気候変動を交渉の切り札に使い、国際法違反や人権侵害などの残虐行為の責任を回避するだけでなく、そこから利益を得ようとしていることを、国際社会は以前から認識していた。中共から国際社会へのメッセージは明確で、「我々に親切にしなければ、地球温暖化防止の役割を果たさない」というものだ。

中国政府は、2025年まで石炭の採掘と燃焼を続け、2060年までにカーボンニュートラルを達成することを計画している。しかし、中国政府は、この目標に向けてどのように取り組んでいるか、中国の排出量が時系列でどのように変化するかについて、透明性のある報告の提出を拒んでいる。中共は、リアルデータの提出に事実上反対している。

中共がこれまでの約束を軽々と踏みにじってきたことは明らかである。経済発展の目標が阻害されると、気候に関する約束はすべて破棄された。2020年、中国政府が承認した新規石炭発電所の数は、それまでの3年間の合計を上回り、過去最高となった。

これは誰にとっても驚くべきことではない。米中貿易協定が行き詰まった要因の一つは、米国が中国に対して貿易条項の実施状況について透明性のある報告書の提出を要求し、不履行には罰則を課すことを主張したことである。

中共政権は、自分の約束でさえも守ることを好まない。中国政府は拷問等禁止条約に署名しながらも、国連の監視機関による実施状況の監視に反対しているのも同じ理由からである。その結果、中国政府が実際に条約を遵守しているかどうか、あるいはどのように遵守しているか、国連は知る由もない。北京のコミットメントは空言に等しい。

従って、透明性のある報告メカニズムがなければ、中国がCOP26や気候変動対策のために行った約束は、自らの都合に合わせていつでも破棄されることになる。

また、中国が透明性のある報告の義務化を阻止しようとしている点も興味深い。それは、報告をすれば自国の経済状況に関するより詳細なデータを開示しなければならないからである。排出量の目標は、経済活動や国内総生産(GDP)に基づいて算出される。合意された目標への達成度を測るためには、中国政府がより透明性の高い経済データを開示する必要がある。

しかし、中共は、中国経済の実態を世界に知られたくない。中共は、ただでさえ脆弱な経済状態をさらに悪化させる可能性のある投機を抑制するために情報を隠すことで、経済不況を効果的に管理できると考えている。

最近、中国の経済危機と不動産バブルが世界中のメディアの注目を集めている。しかし、国内ではその情報は封じ込められている。実際、景気悪化の兆候は少なくとも2017年まで遡ることができる。経済危機が中共の存続と権力の正当性を脅かしているため、中共は、中国経済に関する情報を統制することを最重要課題の一つとしている。

中共の権力への執着と習近平政権の不安定さは、今や気候変動対策の国際協力に支障をきたす恐れがある。

執筆者プロフィール

ピーター・ダーリン(Peter Dahlin)氏は、NGO「セーフガード・ディフェンダーズ」の創設者であり、北京に拠点を置く中国のNGO「チャイナ・アクション」の共同創設者(2007年~2016年)でもある。著書に『Trial By Media(中国国営メディアによる裁判)』、寄稿に「The People’s Republic of the Disappeared(失踪者の人民共和国)」がある。彼は2007年から北京に住んでいたが、2016年に拘束されて秘密刑務所に入れられ、その後中国から追放された。中国に住む前は、スウェーデン政府で男女平等参画の問題に取り組んでおり、現在はスペインのマドリードに住んでいる。

オリジナル記事:「China’s Refusal to Cooperate at COP26 Summit Shows How Fragile Its Economy Has Become

(翻訳・王君宜)

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
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