中共高官による「国家機密の漏洩」

2009/09/01
更新: 2009/09/01

【大紀元日本9月1日】現在の中国社会は過去に比べて多少規制が緩んでいるように思われる。しかし、法輪功はタブーだということも知られている。法輪功は中国共産党によって「国家最大の敵」と定義され、想像を絶する言論封鎖や精神的、肉体的両面の弾圧を受けている。法輪功学習者は元来中国社会各階層の主流であり、主権、領土、政府に対してすべて興味はなく、ましてや脅威などとはとても言い得ないが、どうして法輪功は中共(中国共産党)統治下で「国家最大の敵」となったのだろうか。この秘密はこのほど、ある国務委員レベルの中共高官によって海外で暴露された。

中共の中新社7月28の報道によると、ワシントンで行われた「中米戦略と経済の対話」に出席したある国務委員は、米国人に中国の核心利益について説明する際に、「中国の核心利益の第1位は基本制度と国家の安全、第2位に国家主権と領土の保全、第3位に経済社会の持続的な安定と発展だ」と発言したという。

この話が出たとたん、在席の海内外の中国人は皆不意打ちを食らったようである。親中共の所謂愛国者たちさえも絶句。中共にとって、国家の核心利益の第1位はなんと、「国家主権と領土の保全」ではなく、国の安定や国民の生活を保障する「経済社会の持続的な安定と発展」でもなく、「共産党の独裁制度」と「党の安全」を守ることなのだ。

どの国も国家の利益によって敵かどうかを決める。例えば、米国の敵は通常米国の利益に脅威をもたらす外国人で、米国の国民ではない。この中共高官の漏らした機密は、中共が敵かどうかの判断をする際に、最重要条件は「党の統治と地位」であり、本当の国家的利益ではない。「党の統治」に不利であれば、中共に「国家の敵」とされ、非情な打撃を加えられる対象となる。したがって、中共によって決められた「国家の敵」は大体自国の庶民で、一般の中国人であった。

「真・善・忍」を修煉する法輪功学習者は政治に興味はなく、ただ心を修め善に向かい、煉功して体を鍛える。身体が健康になり、社会の道徳が向上すれば、社会の安定につながり、国も安泰、民の暮らしも平穏で、外敵はもちろん変なこともできなくなる。これは大変「国家的利益」に適うことではないか。しかし、この中共高官が中国の核心利益について米国人に説明したように、中共の最重要任務は「基本制度と国家(実際は党)の安全を守る」ことである。共産主義が全世界的範囲で崩壊する中、中共も疑心暗鬼になりびくびくしている。「党の利益が国家利益より高い」中共は、法輪功はそれから群衆を「争奪」し、「党の安全」を脅しているとみている。したがって、法輪功を信奉する人が多くなると、中共は必ず徹底的にやっつけようとし、社会主流の民衆を国家の敵として残酷に弾圧するのである。

逆に言えば、党の統治に有利であれば、中共は領土と主権さえも放棄できるのだ。事実、中共はかねてからこうして国を売ってきた。民国時期に、中共は「国の中の国」を創立したことがあり、スローガンは「ソビエトを守る」ことであり、外国に忠誠を尽くしていた。江沢民政権時、中共は中ロ辺境条約に署名して、中華民国からこれまでの歴代中共政権さえ承認を拒絶してきた不平等条約を承認し、40の台湾の国土に相当する150万平方キロメートルをロシアに譲渡したのである(『九評共産党』「第五評」参照)。シンガポール英字紙ストレーツ・タイムズの東アジア担当特派員で香港人のジャーナリスト・程翔氏が、最初に江沢民のこうした売国行為を暴き出したため、3年の刑務所生活を強いられた。

中共はしばしば 「国家機密漏洩罪」で異議人士に打撃を与えてきた。中共高官の海外でのこの発言こそ本当に中共の機密を漏らしたと言える。同時に、中共の醜い顔を一層明確に示したのである。

 (翻訳・金本)