オリンピック開催前、中国当局による法輪功迫害を非難=カナダ

2008/05/12
更新: 2008/05/12

【大紀元日本5月12日】カナダ東部地区在住の法輪功学習者約100人が5月2日、首都オタワの国会前に集い、オリンピック開催を間近に控えた中国当局が、法輪功学習者を大量に逮捕していると訴えた。集会には、国会議員ボリス・レズネフスキー氏や、アムネスティー・インターナショナルのアレックス・ネヴィ氏、中国問題の専門家でベテラン外交官のブライアン・マカダム氏らが出席、講演を行った。中国国営通信社の新華社も含め、メディア数社がこの模様を報道した。

「あなた方の精神を破壊・横奪することはできない」(レズネフスキー氏)

国会議員のレズネフスキー氏は、中国当局が法輪功学習者の臓器を収奪し、売買している問題を挙げ、臓器売買を中止させるための法案を先の国会に提出している。

また同氏は、「あなた方がここで表明している人間の精神を、誰も破壊、横奪することはできない。それは希望と信仰を持っている数百万以上もの中国人の心の中に存在している。遠くない将来、自由の聖火が中国で掲げられるであろう」と述べた。

スピーチするボリス・レズネフスキー氏(大紀元)

「オリンピックによる新たな人権侵害」(アレックス・ネヴィ氏)

アムネスティー・インターナショナルのアレックス・ネヴィ氏は、法輪功学習者の逮捕者数の増加、数千人ものチベット人の逮捕、ウイグル人への大規模な弾圧など、今年に入ってさらに加速する中国国内の人権侵害について触れ、「公約(オリンピックを前に人権状況を改善するという中国当局の公約)を実現しようとする努力は、極めて少ない。逆に、オリンピックが近づけば近づくほど、その反対へと向かう様々な行動が現れている。オリンピックのために、絶えず宣伝を行っているものの、依然として人権侵害が続いている」と指摘した。

また同氏は、「我々は、オリンピックが新たな人権侵害を引き起こしたといえる、様々な状況を目撃している。オリンピック会場を建てるために居住者を追い払ったり、その実情を訴えた代表者らや、人権問題に異なる意見を持つ人々を投獄したりしている。この整除運動(オリンピック開催を前に、北京を「きれいにする」作戦と言われている)により、法輪功学習者、陳情者や行商人など、数多くの市民が

スピーチするアレックス・ネヴィ氏(大紀元)

強制労働収容所に送られている」と語った。

「政治は人権侵害を黙認している」

中国の人権問題を指摘する各国に対し、政治とオリンピックを混同してはならないと主張する中国政府の態度についてネヴィ氏は、「これは政治とオリンピックという問題ではなく、人権は、政治を遥かに超えた問題だ。人間性の価値観を統一するものであり、最も大切な問題である。もし、そこに政治という存在があるのならば、この様な広範な人権侵害に黙認すること自体を、政治が行っているのである」と述べた。

さらに同氏は、「カナダは、時機を掴むべきだ。世界が中国の指導者らに耳を傾けているが、2000年の公約を果たさせるためにも、圧力を加え続けるべきだ。今日からでも、人権を改善するために何かをしなければならない。言い逃れや政治的な黙秘をしてほしくはない」と発言した。

「法輪功は存続することができる」(ブライアン・マカダム氏)

中国問題の専門家で、ベテラン外交官のブライアン・マカダム氏は、「歴史認識において、中国当局は中国共産党の敵は、人民の敵という教育をしている。従って、中国当局がある団体を、党の敵と見なした場合、政府は非合法に、あるいは公に、監禁または抹殺することができる。中国当局は、自らが支配できない団体を、すべて排除していく。しかし、その様な中でも、法輪功は存続してきた

スピーチするブライアン・マカダム氏(大紀元)

団体の一つである」と述べた。

明慧ネットによると、昨年末から今年3月11日までに中国全土で逮捕された法輪功学習者は、1,878件に上っており、厳しい取り締まりは今も継続している。

地元メディア5、6社が取材、中国官製の新華社記者の姿も(大紀元)

カナダ国会前に集まり、オリンピック前に迫害停止を求める横断幕を広げた法輪功学習者ら(大紀元)

(翻訳・星頴)