深圳で飲食店の包丁に鎖 APEC前の警備強化に「過剰管理」と批判

2026/11/03
更新: 2026/11/03

アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が11月18~19日、中国の深圳で開かれる。広東省当局は省内各地から警察官を動員し、市内の警備を強化している。こうした中、市内の飲食店の店主が、警察官に厨房の包丁を鎖でつながれたとする動画を投稿した。インターネット上では、治安の現状を不安視する声や、過剰な管理だと批判する声が上がっている。

中国メディア「澎湃新聞」によると、広東省公安庁は11月1日、省内の公安機関を対象に、APEC首脳会議の警備に向けた会議を開いた。広東省の劉国周副省長兼公安庁長が会議を取り仕切り、警備方針を示した。

会議では、同日から警戒を全面的に強化し、省内の各公安機関の幹部や主要部門の責任者に対し、警備期間中は持ち場を離れないよう指示した。また、省内各地から深圳に警察官を派遣し、「多数の警察官を街頭に配置し、厳格な管理と取り締まりを徹底する」とした。

具体的には、重要施設の警備に加え、物流や宅配便、危険物や爆発物の管理を強化する方針を示した。街頭で警察官の姿が目立つようにし、犯罪の抑止につなげることも求めた。さらに、ドローンの飛行禁止措置を徹底し、無許可での飛行や違法な組み立て、飛行制限を解除する不正改造などを厳しく取り締まるとした。

包丁の管理に批判 ネットでは「新疆方式」との指摘も

深圳市竜華区の飲食店「玖道耕全牛宴」の店主は10月30日、警察官が店を訪れ、厨房の包丁に金属製の鎖を取り付けたとする動画を投稿した。店主によると、自分の店だけでなく、地域全体で同じ措置が取られているという。

店主は動画で、「今の治安は、ここまでしなければならないほどなのか。見ての通り、飲食店をやっているだけなのに、野菜を切る包丁にまでこんなものを付けなければならない」と語った。

動画を受け、インターネット上では、新疆で行われている刃物の実名登録や、包丁を鎖でつなぐ厳しい管理を連想する声が上がった。「新疆方式」が中国の他の地域にも広がっているのではないかと指摘する投稿もあった。

「ついに深圳まで新疆のような管理が始まった」「新疆の『先進的な経験』が他の地域にも輸出された」「新疆方式を中国全土に広めようとしているだけだ」と皮肉る投稿も見られた。

また、今回の措置を、深圳で開かれるAPEC首脳会議に向けた警備強化と結び付ける見方もある。

ネット上には「APECのために、ここまで人々を締め付けるのか。当局も、人々の不満がたまっていることを分かっていて、不安なのだろう」「包丁でも革命を起こせると、当局はよく分かっているのだ」といった書き込みも見られた。