中国国有海運大手 商船を「移動する監視所」に 米が警戒

2026/09/02
更新: 2026/09/02

米中両国の首脳が今月、ワシントンで首脳会談を行う予定である。そうした緊迫した時期に、米国が重大な疑惑を突然突きつけた。米政府当局者がロイター通信に明らかにしたところによると、中国(中共)国有海運大手「中国遠洋海運(コスコ)」が、商船に高度な通信機器を搭載し、米国など標的国の沿岸付近で軍事情報を収集しているという。

米政府高官によると、中国遠洋海運と中共当局によるこうした情報面での協力は、すでに数十年にわたって続いている。商船に搭載されている通信機器は、高度な「シギント収集プラットフォーム」だとしている。

これらの設備は、軍事通信や暗号技術の最新動向を追跡できるだけでなく、世界各地の重要な航路も綿密に監視できる。米側は、こうして得た情報を利用すれば、中共政権は領有権の主張を強固にするとともに、相手国の軍の動向を事前に把握し、警戒態勢を整えることが可能になると指摘している。

実際、米側は以前から警戒してきた。昨年には、米海軍大学の報告書が、中共当局が商船隊や漁船を利用して情報収集を行っている可能性が高いと指摘している。米国防総省もすでに、中国遠洋海運を中共軍と関係のある企業のリストに加えている。

米側が懸念する背景には、中国の現行法が企業に対し、政府の情報活動を支援する義務を明確に定めていることがある。このため米側では、世界各地を日々航行する多数の商船が、実質的に「移動する監視所」になっているのではないかとの疑念が強まっている。

一方、中国遠洋海運を巡っては、米国自身も頭を悩ませている。世界有数の海運大手である同社は、米国の複数の主要港で合弁ターミナルを運営しており、すでに米国のサプライチェーンに深く組み込まれている。専門家は、中国遠洋海運を米国の物流網から強引に締め出せば、米国の貿易に対する「致命的な大手術」に等しい事態になると分析している。