米国 イランに「史上最大の金融攻勢」 貿易相手国にも追加制裁へ

2026/08/24
更新: 2026/08/24

スコット・ベッセント米財務長官は8月23日、イラン政権に「経済的Dデー」が迫っていると警告した。「Dデー」は軍事作戦の決行日を意味し、特に1944年6月6日のノルマンディー上陸作戦は有名だ。米国は、イランの貿易相手国にも代償を負わせるなど、イラン政府の経済的生命線を断つための強力な措置を講じているという。

ベッセント氏はSNSへの投稿で、トランプ大統領の下、米軍はイランの軍事能力を解体し、軍需工場のほぼすべてを破壊し、核開発計画を葬り去ったと述べた。

米国とイスラエルは2月下旬、核兵器を保有するイランの誕生を阻止するため、イラン政権と同国軍への攻撃を開始した。イラン政府は報復として、米軍基地を受け入れている中東諸国を攻撃したほか、ホルムズ海峡を航行する国際船舶を攻撃した。

ベッセント氏は「われわれはいま、最終局面に入ろうとしている」「夜明けとともに、経済的Dデーが始まる。敵対国に対してこれまでに結集された中で、史上最大の金融攻勢である」と述べた。

トランプ氏は、イランが完全に孤立するまで、米国が政府機関、権限、手段のすべてを用いてイラン政府の金融上の生命線を断つための条件を整えたという。

「イラン・イスラム共和国は、恐喝を安全の保証に見せかけることで存続してきた」とベッセント氏は述べた。「トランプ大統領の下、その時代は終わった。イラン政府に逆らう危険を恐れる者は、米政府を試す代償を軽視すべきではない」

ベッセント氏の発言は、8月24日に予定されている記者会見を前に出された。会見では、イランとその貿易相手国を対象とする米国の追加制裁が発表される見通しである。

ベッセント氏は8月23日付の英紙フィナンシャル・タイムズへの寄稿で、米政府がイラン産石油を購入、輸送する国々を対象とする可能性を示唆したが、詳細は明らかにしなかった。

「要するに、これらの国々は、イラン政権を宥和する方が安全だと判断している。しかし、同政権を支え続けることの結果をよく考えるべきである」と記した。

イラン最高国家安全保障会議のモフセン・レザーイー書記はSNSで、イランが経済的孤立の対象となれば、ペルシャ湾とホルムズ海峡を通じた原油輸送を阻止すると威嚇した。また「イラン国民に対する米国の経済戦争に参加または協力する国の行為を、戦争行為とみなす」と述べた。

イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は8月23日、両国が6月中旬に署名した了解覚書について、現在の「戦争でも平和でもない」状況を終わらせるための最善の選択肢だと擁護した。

ペゼシュキアン氏は、戦争開始から約6か月が経過しても、イラン政府は投資を呼び込めていないと指摘し、紛争による経済的圧力を強調した。

国営イラン通信(IRNA)が報じた演説で、ペゼシュキアン氏は了解覚書を支持する理由を説明し、「この合意には、降伏に相当する条項は一つもない」「最高指導者が政策を定め、われわれはその道に従う」と述べた。

合意は海峡の全面的な再開を求めて、戦争の終結とイランの核開発計画を巡る未解決問題の解消に向け、60日間の交渉期間を設けていた。この期限は8月16日に終了した。

ホルムズ海峡の全面的な再開を巡る両国の交渉は行き詰まっている。イランは、米国がイランの港湾に対する海上封鎖の解除、地域からの米軍撤収、イラン政権に対する制裁解除に同意するまで、船舶の通航制限を続けると威嚇している。

トランプ氏は8月21日、記者団に対し、イランは合意に達する用意があると考えているものの、いかなる合意にも米国が受け入れられる条件を盛り込まなければならないと述べた。トランプ氏は以前、これはイラン政府に核兵器の保有を認めないことを意味すると説明していた。

「彼らはぜひとも合意したいと考えている。しかし、私の考えでは、正しい合意を結ぶ準備はできていない」とトランプ氏は述べた。

AP通信が本稿に寄稿した。

米国とアジア太平洋地域のニュースを担当するフリーライター。