米FRBは7月29日、政策金利であるFF金利の誘導目標を3.50~3.75%に据え置くと発表した。市場予想通りの決定となった。
ロイター通信の調査では、回答したエコノミスト104人全員が金利の据え置きを予想していた。一方、会合前の短期金融市場では、利上げの確率が約32%織り込まれ、年内に約42ベーシスポイントの金融引き締めが行われるとの見方も示されていた。今回の会合は、近年でも特に先行きが読みづらい会合とみられていた。
FRBの発表によると、連邦公開市場委員会(FOMC)は賛成9票、反対3票で金利の据え置きを決定した。
反対票を投じたのは、クリーブランド連銀のベス・ハマック総裁、ミネアポリス連銀のニール・カシュカリ総裁、ダラス連銀のロリー・ローガン総裁の3人で、いずれも0.25ポイントの利上げを主張した。
声明は、中東での紛争などを背景に先行きの不確実性が非常に高いものの、アメリカの経済活動は引き続き着実に拡大していると指摘した。生産性の伸びと設備投資は堅調で、雇用の増加は労働力人口の伸びとおおむね歩調を合わせており、失業率にも大きな変化はみられないとしている。
一方、インフレ率は依然としてFOMCが目標とする2%を上回っている。供給面の混乱により、エネルギーを含む一部の分野で価格が押し上げられていることも一因だという。
市場では、利上げを促す材料と据え置きを支持する材料が交錯していた。
6月の消費者物価指数(CPI)が全般に市場予想を下回り、非農業部門の雇用者数も予想を下回ったほか、会合前には原油価格も下落した。これらは、FRBが金利変更を急がず、様子を見る余地を広げる材料となった。
しかし、インフレ率はなお目標を上回っており、中東情勢や原油価格も不安定な動きを続けている。最近、一部のFRB当局者がタカ派的な発言をしていることに加え、ケビン・ウォーシュ議長が就任したばかりで、政策運営の方向性もまだ明確になっていない。このため、市場では利上げの可能性を完全には排除できないとの見方が残っていた。
今回の会合では、政策金利見通しを示す「ドット・プロット」や経済見通しの更新は行われなかった。市場関係者の間では、FRBの声明よりも、同日に行われるウォーシュ議長の記者会見の方が重要になるとの見方も出ていた。
ウォール・ストリート・ジャーナルは28日、ウォーシュ議長が就任初日にFRB当局者18人と夕食を共にした際、緊張した雰囲気の中で激しい議論が交わされたと報じた。
ただ、ウォーシュ議長は一貫して楽観的な姿勢を示している。夕食会についても、その後「身内同士の健全な議論だった」と説明した。
ウォーシュ議長はFRB改革に意欲を示している。議会の指名承認公聴会では、投資家にはFRBの意図を推測するのではなく、市場そのものに注目してほしいとの考えを示していた。
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