スターマー英首相は22日、首相と労働党党首を辞任する意向を表明した。労働党をまとめ、次の総選挙に向けて党を率いることは難しいとの考えを示し、退任を決断した。
労働党が党首選の手続きに入るなか、前グレーター・マンチェスター市長のアンディ・バーナム氏が、次期首相の最有力候補と見られている。
スターマー氏は、党内の声を受け止めた結果、現在の自分は、次の総選挙で労働党を率いる適任者ではないと判断したと述べた。
新党首候補の推薦手続きは7月9日に始まり、9月の議会再開までに党首選を終え、新首相を選出する見通しだ。
スターマー氏の政治的危機は、すでに数か月前からくすぶっていた。分析では、直接の引き金となったのは、今年5月の地方選挙だったと見られている。
アメリカ在住の時事評論家、方偉氏は「多くの人が一致して見ているのは、5月初めの地方選挙で労働党が大敗したことと、全国で1500議席を失い、25の議会で主導権を失ったことだ」と指摘した。
方氏は、労働党が左右両派から支持を奪われていると分析する。右派のリフォームUKは労働党の伝統的な支持基盤に食い込み、左派の緑の党も都市部で支持を伸ばしているという。
「労働党は左右の双方から票を奪われている。しかも、その流れを止められていない。党に不満を持たれ、党に損害を与えていると見なされれば、党首の座を維持するのは難しい」
また、トランプ米大統領は21日にSNSへ投稿し、「彼は2つの非常に重要な問題で完全に失敗した。それは移民とエネルギーだ。北海油田を開放すべきだ」と批判した。
スターマー氏の辞任表明を受け、焦点は後継者選びに移っている。前グレーター・マンチェスター市長のバーナム氏は、次期首相の最有力候補と見られている。バーナム氏は補選で下院議員に返り咲いたばかりで、ウェス・ストリーティング前保健相もすでに同氏への支持を表明している。
ただ、誰が首相に就任しても、深い分断を抱えたイギリスを率いることになるとの見方が出ている。
方氏は「ブレグジット以降、イギリスでは政党の再編が進んだ。いまのイギリスは方向性を見失っている。二大政党のどちらも進むべき道を見いだせていない。保守党もどこへ向かうのか分からず、労働党もどこへ向かうのか分からない。方向性を失えば、政治は不安定に揺れ動きやすくなる」と述べた。
スターマー氏の退陣により、イギリスはこの10年で7人目の首相を迎えることになる。
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